7 May 2018

Le jeune Karl Marx / The Young Karl Marx / マルクス・エンゲルス

by Raoul Peck 2017 France, Germany

19〜20世紀のもっとも影響力のある著書と見なされる「資本論」、その著者カール・マルクスの伝記であるこの作品、クラスの違う貴族の娘イェニーと結婚、ドイツからパリに移り、そのパリで生涯のパートナーとなるエンゲルスと出会い、そして1847年にロンドンでエンゲルスと共に共産主義者同盟を創立するまでを描いている。

産業革命を経て生まれた労働者と蔓延る貧困という新しい社会の歪みに対してペンで挑むマルクスとエンゲルスの知識人、この2人の話を映画化するのは容易でない事は想像できる。しかしながらこの作品はウィーン体制崩壊となった1848年革命までの激動の社会とこの2人の若かりし日々にフォーカスして、とてもクレバーに書かれている。またマルクスを演じたアウグスト・ディールとエンゲルスを演じたシュテファン・コナルスケも人物像を魅力的に引き出していた。監督のラウル・ペックを調べてみるとハイチ出身、1996〜97年にハイチ教育省大臣を勤めていた。また今年のオスカーのドキュメンタリー映画賞にノミネートされていた「I'm not your Negro / 私はあなたのニグロではない」もラウル・ペック監督の作品であった。これは未見なので早速見たいものだ。

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