1 June 2006

Soy Cuba

Soy Cuba by Mikheil Kalatozishvili 1964 USSR/Cuba

アメリカによる経済封鎖が行われる前1964年に実際キューバで撮影された旧ソ連によるプロパガンダ映画。ソ連崩壊後にこの映画が見つかり2001年のカン ヌで世界に試写された。美しいキューバの大地からバティスタ政権そしてカストロ政権までを描いているが、その映像、カメラワークは素晴らしく初めのシーン はなんとなく小津の初期白黒映像を思い起こすものがあった。また詩的に映像が綴られている事もあり、勿論プロパガンダ映画なのでいかにキューバ国民がアメ リカ搾取にあえぎ社会主義が台頭したのかだが、今この時代にこの映画をみるとプロパガンダが逆に人間社会そしてアイデオロジーの悲哀をひしとつたえるもの となっているように感じた。
プロパガンダ映画ではナチ政権のリーフェンシュタールが有名だが、数年前に見た時力と繁栄という印象が強く感じられたがこれもまたある種のむなしさを醸し出していた。
それにしてもキューバがこれほど奇麗な場所だったとは!この映像をみて感動してしまった。そういえば幼少の頃カストロを逃れてアメリカに移住してきた知人 の話を思い出した。彼は老いた両親と共に2000年に入ってからキューバを訪れ、当時住んでいた家に行ったそうだ。その家はまだ残っており、住人に中を見 せてもらったら当時逃げた時そのままの家具、インテリアだったそうで閉ざされた時代のブランクを強く感じたそうだ。
ロンドンのICA で見たのですがDVDも既にでているそうです。

1 comment:

claudiacardinale said...

Commented by daikanyamamaria at 2006-06-02 18:16
claudiacardinare さん、はじめまして。
子供の頃から映画館の中で人生の全てを学んだ気がしていた頃。。。

プロパガンダは一方通行の押しつけ、、、その行為こそがむなしさの極みだからこそ、時を経て、罪はあらわになるのでしょうね。

また参ります。よろしくお願いいたします。

Commented by Bianca at 2006-06-04 00:54 x
あれ、この映画知らないゾーと思いネットで調べたら、ミハイル・カラトーゾフは「鶴は翔んでゆく」でカンヌグランプリを取った監督。日本公開当時は「戦争と貞操」というタイトルでした。中学生の時見て、とても美しいと思い感動したのを思い出します。

Commented by claudiacardinare at 2006-06-05 19:07
daikanyamamaria様、こちらこそはじめまして。わたしは昔からほとんど人が入ってない映画館の映画が始まる前の雰囲気が大好きでした。現実からの逃避行って感じでしょうか。

Commented by claudiacardinare at 2006-06-05 19:10
biancaさま、「鶴はとんでゆく」ってそういえば家のDVD棚にあるなーと思いチェックしたらミハイル・カラトーゾフでした。数年前に買ったのですが忘れたまま置き去りになっていました。観なくては!!それにしても「I am Cuba」が「戦争と貞操」とはえらくストレートな邦題になってしまいましたね。

Commented by Bianca at 2006-06-05 23:51 x
あっ、それは「鶴は・・・」ので、こちらは「怒りのキューバ」です。「貞操」と言う語は今の時代には冗談の種にしかなりませんが、あの時代には、かなり抵抗を覚えたものでした。1930年の米画(J キューカー)で同じ邦題のがあるため、借用したのかもしれません。

Commented by threenorns at 2006-06-06 15:58
こんにちは。私も去年Film Forumで観ました。映像の美しさと、撮影の凄さに驚いたのを覚えています。特に「え?これどうやって撮ってるの?」という長いワンカット。これは、カメラマン同士がカメラを手渡しして撮ったそうです。さすが、共産圏!このフィルムは、長らく埋もれていたそうですが、アメリカ人フィルムメーカーによって見いだされ、日の目を見る事になったそうですよ。ホント観賞後に思わず拍手したくなる映画でした。(というか映画館で拍手が起こってました。実際。) DVDでもう一回見ようかなぁ。

Commented by claudiacardinare at 2006-06-07 23:17
biancaさん、あら早とちりをしてしまいました。それにしても「戦争と貞操」ってすごい題名ですよね。まだ見てないので内容もろくに知らない状態ですが、なるほどそういう感じの映画なんだと想像しています。

Commented by claudiacardinare at 2006-06-07 23:22
threenornsさん、なんか新種のコンピューターウイルスのようなHNですね(笑)それにしてもそれは神業ですね、手渡す時のブレはないし至ってスムーズ。何人のカメラマンがいたんでしょう。ロシアといえばソクーロフの「エルミタージュ」も1ショットだけの映画ですが、これは3ヶ月リハーサルを繰り返し、撮影は1回のみスタディーカムでこなしたそうですよー(とカメラマンがフェスティバルで語ってました)

Commented by Bianca at 2006-06-08 08:20 x
「鶴はとんでゆく」はその通りのイメージです。邦題は、「何たる無神経さ」と、ファンや評論家から非難の声があがっていました。客集め(いったいどんな客を想定していたのか)のため、このような題をつけたのでしょう。

Commented by threenorns at 2006-06-09 16:19
ClaudiaCardinareさん、そんなヒドイじゃないですか。virusじゃないですよ。そうその「エミルタージュ」、まだ観てません。1カット1回のみって、尋常じゃないプレッシャーだったんでしょうねー。観てる方もハラハラしそう。。

Commented by claudiacardinare at 2006-06-09 23:33
threenorns さん、以前氾濫していたTrojanってウイルスあったじゃないですか。あれって初めて名前を見た時なんて的確な名前で考案者頭いいーと感動してしまいました。なのでウイルスというのはポジティブなイメージもありますのでご安心を!(あらっわけが分からないコメント??笑)

Commented by threenorns at 2006-06-13 14:55
claudiacardinareさん、ウィルスの話題で引っ張りますねー。ちなみに、この名の由来は、ワグナーオペラ「神々の黄昏」の最初に出てくる3人の運命を紡ぐ女神なんですけど.... 。

Commented by claudiacardinare at 2006-06-13 19:33
treenornsさん、池のほとりに住んでるいたずら好きのあの3人ですか?う〜ん、やっぱりウイルスの気がありますねー(笑)あの3人のおかげでみな運命を翻弄させられましたからねー。(まだ引っ張る・・・)