13 May 2018

Le Redoutable / Godard mon Amour / グッバイ、ゴダール!

by Michel Hazanavicius 2017 France

1950年代、フランス・ヌーヴェルバーグの旗手であった映画監督ゴダールの「中国女」に主演し結婚したアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝が原作。「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」で成功し名を馳せたゴダール、「中国女」撮影後に一回り以上年下のアンヌ・ヴィアゼムスキーと結婚するが、68年フランスで起きた5月危機、学生運動にのめり込み、そしてゴダール自身もウルトラエゴ化としていく姿を追っている。

監督は2011年「アーティスト」で数多く受賞したミシェル・アザナヴィシウス。この作品の中には、ジャンプカットや赤や青の色、グラフィックなどゴダールの特徴的な演出も多く使われ、またアンヌを演じたステイシー・マーティンの瑞々しさが眩しく、60年代フランスのファッショナブルな姿と、スクリーンに映し出される映像は見ていて楽しい。だが残念な事にゴダールの姿が抉り出されておらず、エゴイストで口先だけの嫌なやつという印象しか与えられていなかった。ゴダールを演じたルイ・ガレル、コメディー的でいいんだがやはりゴダールなのでどこかもっと癖のある姿が見たかった。題材はとても魅力的なのだが、イマイチな作品で留まってしまった。

ちなみにLe Redoutableとは1791年トラファルガーの海戦でネルソン提督とバトルを繰り広げ翌日沈没した船である。その後11代目である原子力潜水艦ル・ルドゥタブルからこの映画のタイトルがきている。ル・ルドゥタブルとは戦慄という意味だそうだ。

7 May 2018

Le jeune Karl Marx / The Young Karl Marx / マルクス・エンゲルス

by Raoul Peck 2017 France, Germany

19〜20世紀のもっとも影響力のある著書と見なされる「資本論」、その著者カール・マルクスの伝記であるこの作品、クラスの違う貴族の娘イェニーと結婚、ドイツからパリに移り、そのパリで生涯のパートナーとなるエンゲルスと出会い、そして1847年にロンドンでエンゲルスと共に共産主義者同盟を創立するまでを描いている。

産業革命を経て生まれた労働者と蔓延る貧困という新しい社会の歪みに対してペンで挑むマルクスとエンゲルスの知識人、この2人の話を映画化するのは容易でない事は想像できる。しかしながらこの作品はウィーン体制崩壊となった1848年革命までの激動の社会とこの2人の若かりし日々にフォーカスして、とてもクレバーに書かれている。またマルクスを演じたアウグスト・ディールとエンゲルスを演じたシュテファン・コナルスケも人物像を魅力的に引き出していた。監督のラウル・ペックを調べてみるとハイチ出身、1996〜97年にハイチ教育省大臣を勤めていた。また今年のオスカーのドキュメンタリー映画賞にノミネートされていた「I'm not your Negro / 私はあなたのニグロではない」もラウル・ペック監督の作品であった。これは未見なので早速見たいものだ。

4 May 2018

Under Sandet / Land of Mine / ヒトラーの忘れもの

by Martin Zandvliet 2015 Denmark

第28回東京国際映画祭で最優秀男優賞を受賞、2016年アカデミー外国映画賞にノミネートされたこの作品のスクリーニング、プロデューサーそして地雷除去組織ヘイロートラストの会長の質疑応答が上映後行われた。

第二次世界大戦ドイツ降伏後、捕虜となったドイツ兵はデンマーク海岸沿いに埋められた200万個の地雷撤去に強要される。20歳にも満たないドイツ少年兵連隊を統括するデンマーク軍軍曹カールの葛藤、そして少年兵達の生き様を描いている。

プロデューサーは、もともとこの映画の構想は監督自身の経験からと述べていた。デンマーク人である監督がドイツに住む従兄弟達とデンマークのパブで飲んでドイツ語で会話していた時酔っ払いが来て「ハイル・ヒットラー」と言い寄って来たという。戦後70年以上経っているいるのに人々の隠れた心の中にはまだ戦争の姿が残っている、と感じた監督はこのプロデューサーと共に地元に根ずく史実をリサーチ、そしてこのドイツ兵による地雷撤去を発見したそうだ。デンマークでもこの話は殆どの知られていなかったという。事実この地雷撤去はジュネーブ条約に反しており表立てはボランティア参加と正当化されていたそうだ。また従事したドイツ兵の殆どは15〜18歳とまだまだ子供の年代でその半数以上が命を落としたという。

この映画では戦争という状況を通してかつて敵味方であった両側の心、人間性にフォーカスを置いている。デンマークとドイツは隣同士で文化や慣習など多くを共有している。距離的には近くても精神的には遠い国、日本と隣国との関係も例外ではない。

ヘイロートラストの会長によると、現在でも多くの人々が地雷で命を奪われているという。例えばスリランカでは年間3000〜4000人が死亡もしくは怪我をしているそうだ。実際の撤去もだが啓蒙活動も大切で、またカンボジアなどでは元兵士に撤去作業を訓練して職を与えたりなど、サステイナブルに行なっているという。2025年までには全世界の地雷フリーのロードマップを掲げているそうだ。

29 April 2018

Machbeth of Mtsensk / ムツェンスク郡のマクベス夫人

@ Royal Opera House
作曲 : Dmitry Shostakovich
演出 : Richard Jones
指揮 : Antonio Pappano

リチャード・ジョーンズの2004年プロダクションのリバイバル「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、ニコライ・レスコフの小説を基にショスタコーヴィチが作曲した。初演当初は大成功を収めたが、観劇したスターリンの反感を得、20年以上に渡って上演されていなかった。19世紀後半ロシア、裕福な家に嫁いだカテリーナ、子供が出来ない故虐げられた毎日を過ごす。性的欲望の渦に巻き込まれるカテリーナは愛人と共に夫と義父を殺害する。話はドロドロ、性的にきわどいシーンも多く、そのままだと暗い重たい内容だが、いたるところに笑いのツボも押さえた演出に、多少自虐的な社会風刺オペラとなっている。このカテリーナ、マクベスのシェイクスピアの野心的なマクベス夫人、またファムファタールをモチーフにしているようだが、このオペラではどうも当時の社会に抵抗できず運命の荒波の犠牲者となる女性という印象だ。カテリーナはEva-Maria Westbroek。カテリーナの舅で腹黒いボリスを歌ったJohn Tomlinsonの演技は大いに楽しむことができた。全体的に上手いプロダクションであった。

17 April 2018

Les Liaisons Dangereuses / 危険な関係

by Roger Vadim 1959 France

ジャンヌ・モローといえば悪女、彼女以上にこの役柄がしっくり来る女優は後にも先にもいない。特別美人でもなくスタイル抜群というわけではないがどうも彼女には何か裏があるような表面的ではない何かが感じられる。この作品でジャンヌ・モローと美男子俳優ジェラール・フィリップはお互い束縛しない自由奔放なヴァルモン夫妻を演じている。監督は多くの美人女優と浮名を流したプレーボーイでも有名なロジェ・ヴァディム。

外交官のヴァルモン(ジェラール・フィリップ)と妻ジュリエット(ジャンヌ・モロー)はパリ社交界の花形。この2人の関係はオープンでお互い恋人を作ってそのお互いの情事を聞き楽しみながらも2人は愛し合っていた。スイスのスキー場で知り合ったマリアンヌ(アネット・ヴァディム)にヴァルモンが純粋に惹かれていく事からこの2人の歯車が狂い始める。

ジャンヌ・モロー演じる高慢ちきなジュリエット、そしてプレーボーイを演じるジェラール・フィリップとスクリーンにはこのカップルの強烈で濃い映像が映し出される。そして演出はロジェ・ヴァディムと全て役者が揃った作品だ。アネット・ヴァディムはこの映画の撮影中、ちょうどブリジッド・バルドーと別れたロジェ・ヴァディムと恋に落ち結婚したそうだ。まるでこの作品を体現しているかのようなロジェ・ヴァディムはアネット・ヴァディムの清楚な美しさに惹かれたのだろうか。

15 April 2018

120 BPM / 120 ビート・パー・ミニッツ

by Robin Campillo 2017 France

120 BPMとは1分間120の心拍数、この状態になると冷や汗、体の硬直、頭が機能しなくなり、不安になりと人の体は狂い出す。この映画120 BPMは90年代フランスでエイズ啓蒙活動を行ったAct Upが主題となっている。

エイズの偏見に対して抗議活動を行うAct Up早期メンバーのショーン(ナウエル・ぺレーズ・ビスカヤート)、16歳の時に初めて関係を持ったボーイフレンドからエイズに感染。通常のロビー活動では埒が明かないと血糊を使って製薬会社のオフィスに押し入ったりとショックで注目される方法での活動を推し進めるが要塞は硬い。次第に自身の病状に危機を感じフラストレーションがたまるショーンだがAct Upに参加したばかりのHIVに感染していないゲイのナタン(アーノード・バロワ)と惹かれ合い恋人の関係になる。しかしながらショーンの健康状態は日増しに低下して行く。


当時エイズ患者そしてゲイコミュニティーは差別され、また行政や製薬会社のエイズへの対応遅れの為、多くの者が命を落とした。その多くはゲイの若者達。彼らの限られた時間の中で必死に行政そして製薬会社に訴え、社会に正しい知識を広めようと活動を広げる。その彼らのなんとしてでも生きようとする姿はタイトル通り葛藤でありまた悲しいながらも美しい。当時私はNYに住んでいたが、ここも勿論例外ではなかった。街中至る所でAct Upの活動を目撃し、輸血からエイズに感染した子供の学校登校ボイコットした学校のニュースがTVで流れ、またエイズと共に生き偏見を無くそうと活動している小学校に通う少年にも会う機会が会った。その少年の祖母が「来年のクリスマスも孫と一緒に過ごせるのかどうか分からない」と涙していた事が今でも忘れられない。この120BPMはその当時の社会を映し出した感動的な作品である。監督のロバン・カンピオも当時Act Upに参加していたという、この経験がここまで追求できた素晴らしい作品を作る事が出来たのだろう。昨年度カンヌでグランプリを受賞している。

10 April 2018

Macbeth / マクベス

@ Royal Opera House

作曲 : Giuseppe Verdi
指揮 : Antonio Pappano
演出 : Phyllida Lloyd

マクベス夫人がアンナ・ネトレプコで期待していた「マクベス」、予想通りに素晴らしい舞台となった。ネトレプコはこういう狂気に満ちた役を歌わせると迫力があってなんともいい。またマグダフのユシフ・エイヴァゾフもなかなか。この2人は実生活では夫婦。さっさと殺されてしまったバンコーのダルカンジェロは見た目もよしで歌もよし。多くの評論が述べている様にマクベスのジェリコ・ルチッチの信憑性が多少低いかなと思ったが、パッパーノの指揮と久々に見た正統派の舞台にとても満足度が高いものであった。

9 April 2018

Call me by your name / 君の名前で僕を呼んで

by Luca Guadagnino 2018 USA, Italy

多感な思春期の少年を演じたティモシー・シャラメ、今年度の多くの賞レースで最優秀男優賞にノミネートされていた。BAFTAや米アカデミー賞の会場で受賞アナウンスを待つTV画面に映し出された22歳の彼の姿はとても初々しく印象的で、またポスターとトレーラーから彼ににうってつけの作品だと推測していた。予感通りティモシー・シャラメはすんなりとこの作品の世界観にはまっていたが、辛口にこの作品自体を言わせてもらうとある意味なんとも期待外れなものであった。

80年台前半、アメリカ人17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は家族と共に毎夏北イタリアの別荘で過ごしている。別荘に招待されたアメリカの大学で教鞭をとる父の生徒オリヴァー(アーミー・ハマー)との一夏の情事を通しエリオは多感な青春期を経験する。

夏と思春期、この2つの結びつきは永遠のテーマ。何が期待外れであったかというと、この手の作品は今までいくらでもあり、この作品が他と違うのは同性愛ということだけ。そしてアメリカ人が好むイタリア田舎の風情がふんだんに映し出され、美術、音楽、芸術が多く挿入されているがどうもマンネリ感が漂い、また特に演出家の個性も感じられずと退屈なものになってしまった、残念。



6 April 2018

Una mujer fantástica / A Fantastic Woman / ナチュラル・ウーマン

by Sebastian Lelio 2017 Chile


今年度アカデミー賞外国語映画賞受賞作品、チリの「ナチュラル・ウーマン」。突然の恋人の死、そしてまたトランスジェンダーであるが故、主人公のマリーナが通過しなくてはならない人生の一ページを描いた。この彼女の心情がスクリーンに映像化され、なんともオリジナリティーのある昇華したものであった。

妻と別れ子供もいる初老オルランドと長年同性しているトランスジェンダーの歌姫マリーナ、お互い純粋に愛し合っていたがオルランドは発作で突然死んでしまう。オルランドの遺族から差別され嫌がらせを受けるマリーナ、葬式に出席する事も拒まれる。

このマリーナを演じたダニエラ・ベガ、彼女自身もトランスジェンダー、またオペラ歌手で役者という多才な女性でありとても印象に残る女優である。監督のセバスチャン・レリオはマリーナを受け身で複雑なバックグランドを持ちながらも強い意志の一人の女性として描いた。またゲイクラブなど耽美な世界も映し出すことでマリーナがトランスジェンダーという特殊な側面を彼女の個性として描かれていた。

一言でこの映画を言い表せば、とても純粋な女性の内面を描いた作品であった。

11 March 2018

I, Tanya / アイ、トーニャ、史上最大のスキャンダル

by Craig Gillespie 2018 USA

1994年、どのTVチャンネルをつけてもスケーターのナンシー・キリガンが「Why? Why?」と襲われた直後に泣き叫ぶ姿を撮ったシーンばかりが流れていた。それから間も無くして同じくスケーターのトーニャ ・ハーディングが事件に関わっていると取り沙汰され大きなスキャンダルとなっていた。当時あまりのも報道の過熱ぶりに否応無しに情報の洪水に巻き込まれ、その事件性以上にトーニャ ・ハーディングのトラッシュぶりに興味を持った事を覚えている。この映画「アイ、トーニャ 」はその事件の渦中のスケーター、トーニャ ・ハーディングのバイオグラフィーである。

トーニャ ・ハーディングの母を演じたアリソン・ジャニーは今シーズンの賞レースで助演女優賞を総ナメしている。またターニャを演じたマーゴット・ロビーも各賞で主演女優賞でノミネートされていた。これら女優陣達を見ているのはなかなか楽しかったがどうも映画自体はイマイチでTVドラマの域から出ていない感あった。

それにしてもハーディングは労働者階級出身ながらお金のかかるスケートの世界で頭角を表し世界選手権で1位やオリンピックで4位とすごい実力で強靭な精神力を持つ女性だと思うが、虐待やDVの被害者のチェーンから抜け出す事の難しさ、その呪縛からは逃れる事ができなかったようだ。

6 March 2018

Dilwale Dulhania Le Jayenge / シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦

by Aditya Chopra 1995 India

インドのフィルム史で最も成功した映画の一つとして挙げられる「シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦」、知り合いのインド人からのオススメインド映画であった。

インドの規律を重んじる厳格な父親の下、ロンドンで育ったインド人移民の娘シムラン(カージョール)、父親はインドの出身の村の友人の息子をシムランの婿と決めてしまう。父親に背けないシムラン、結婚前に一度ヨーロッパを旅したいと父親に許しを請う。友達と共に旅立ったヨーロッパ大陸、道中知り合った同じくロンドンで育ったインド移民2世で自由奔放なラージ(シャー・ルク・カーン)と恋に落ちる。ラージはシムランの家族を尊重しながらも望まぬ結婚を強制されるシムランを救い出そうとするが。。。

恋、仇、コメディー、モラル、歌あり踊りありと、これぞ「ザ・インド映画」と言える濃い内容。20年たった今でも劇場で上映されてロングランを記録しており、また国内外で大ヒットしたそうだ。インド大衆映画特有の大げさな演技や演出があまり得意でない私でも、これを一つのジャンルとして見てしまえばさほど違和感なくすんなりと見る事ができた。確かに面白い作品だったが一度見れば十分なものであった

3 March 2018

The Shape of Water / シェイプ・オブ・ウォーター

by Guillermo del Toro 2018 USA

独特な世界観を持つギレルモ・デル・トロ監督の新作「シェイプ・オブ・ウォーター」、発話障害の女性と魚人の恋愛と聞いて?と思ったが、オリジナリティーがあり、なかなかユニークな発想で今シーズン観た映画の中ではダントツに面白いものであった。

1960年代初期、政府の研究所で清掃婦として働くイライザ(サリー・ホーキンス)は発話障害で孤独な生活を送る。彼女の唯一の友は隣に住むゲイのジェイルス(リチャード・ジェイキンス)と清掃婦の同僚ゼルダ(オクタビア・スペンサー)。イライザとゼルダは研究所のラボでアマゾンで捕まえられた魚人を見つける。イライザはこの虐げられた魚人に興味を持ち交流を深め恋に落ちる。一方研究所のストリックランド大佐(マイケル・シャノン)は上層部から魚人を宇宙飛行打ち上げに搭乗させる事を命令される。魚人をこのミッションから救う為計画を練るイライザ、ソ連のスパイで研究員として潜在していたホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)の協力を得て計画を遂行するが。。。

サリー・ホーキンスがとてもいい演技をしており、魚人と恋に落ちるイライザを違和感なく納得の行くキャラクターを作り出していた。またその他の役者も皆真実味のあるもので、奇想天外な話ながらも一つの世界を作り出していた。プロダクション・デザインも50年代をモチーフにしているがオリジナルなものが多くこれまた素敵な世界。役者、プロダクション・デザイン、音楽、演出などすべてがハーモニーをなして成功している作品であった。

10 February 2018

Carmen / カルメン


@ Royal Opera House
作曲: Georges Bizet
指揮: Jakob Hrusa
演出: Barrie Kosky

ニュープロダクションの「カルメン」、今までとは全く違う、お芝居の様なミュージカルの様な典型的な演出のカルメンとは全く違ったものであった。セビリアのという感じは全くなしでどちらかというとAll that Jazz的。写真の真ん中の女性がカルメン。セットは1つのみ、シーン毎には場内アナウンスで情景が述べられ、挙げ句の果てには所々カルメンの心情も説明される有様。踊りの場面が全体を通して多くあり、歌って踊れる歌手でないとこの舞台では難しいと感じさせる。最後ドンホセに殺されたカルメンが音楽が終わった直後にすくっと起きて「人生ってこんなものなのね」という感じで戯ける演出は意表をついたものであった。好きか嫌いかは別として全く退屈なしで面白おかしく楽しめた舞台であった。カルメン役のAnna Goryachovaは歌も踊りもとてもよかった。ドンホセのFrancesco Meliは初めはただ怒鳴っているとしか思えず失望していたが中盤から調子が出てきたのか聴きやすさは抜群によくなっていた。