29 September 2006

Eros

Eros by Wong Kar Wai, Steven Soderberg and Michelangelo Antonioni 2004

ウォン・カーウァイ、スティーブン・ソダーバーグそしてミケランジェロ・アントニオーニの3人の監督がエロスをテーマに撮った3部作。というかウォン・カーウァイ、スティーブン・ソダーバーグの若手2人がアントニオーニに敬意を払った作品らしい。

1 部作はウォン・カーウァイの「The Hand」。1960年代香港、高級娼婦として暮らすMs. Hua(コン・リー)、彼女の激しい性格の故身を滅ぼす。そのMs. Huaと仕立て屋に成立て以来彼女のドレスを長年作ってきたZhang(Chen Chang)のはかない恋物語。どうもウォン・カーウァイの作品はスタイル重視になりすぎて私は苦手な監督。「ブエノスアイレス」はこのスタイルがいい味 付けとなっていかされた唯一好きな作品。コン・リーにビッチな役をやらせると天下一品。チャン・イーモウの作品でよくみかけるけなげな役よりも彼女にはは まり役です。でウォン・カーウァイのエロスとは?とてもアジア的精神でタイトルのよう「The Hand」だけの恋なのです。

2 部はソダーバーグの「Equilibrium」 日本語訳は均衡でしょうか。Robert Downey Jr演じるエグゼグティブがストレスの為エロチックな夢を見るようになる。妻にその話をした処問題が生じたためカウンセラー(Alan Arkin)を訪れる。エグゼクティブが目をつぶりベッドに横たわってセッションを受けている間に、実はカウンセラーも窓から見える隣のビルにいる女性を 誘惑するのに躍起になっていた。ソダーバーグのエロスは?ウォン・カーウァイとかなり似ていて手の届かないもの、けどアジアと違ってそれをなんとしても理 解したい、制覇したいという探究心、征服欲が付属してのエロスです。

3 部はアントニオーニの「The Dangerous Thread of Things」イタリア海岸沿いでの若者男女3人の愛の葛藤の物語とでもいうんでしょうか、これぞイタリアエロスの表現という内容でした。(何をいってい るのかわからないでしょうが、ソフィア・ローレン、モニカ・ベルッチ級の肉体美を見せつけられたというのが感想です)でもふと考えると歳老いたアントニ オーニの肉体へのノスタルジアなのでしょうか。彼のエロスは生命力だと思います。

見終わった後はあまりピンときませんでしたが、年代、文化の違う3人の思うエロスの対比が結構個人のバックグラウンドを象徴しているように後になって思えてきました。この映画もしかしたら面白かったのかもしれない。

1 comment:

claudiacardinale said...

Commented by Bianca at 2006-10-01 11:05 x
アントニオーニの「欲望」をレンタルビデオで見たばかりです。
バネッサ・レッドグレーブやジェーン・バーキンの若き日の姿が。
この二作の間に横たわる40年の歳月が監督のエロス=生命力にどう作用しているのか見たいような気もします。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-02 18:06 x
Biancaさん、「欲望」は音楽、映像共にいいですよね。私は「赤い砂漠」が殺伐としてアントニオーニの作品の中では一番好きです。後年の作品「愛の巡り会い」からは年老いた彼のセンスしか感じられませんでしたがエロスからはなにかしら力強さが感じられました。後になればなるほど味わえるアントニオーニの作品でした。

Commented by Bianca at 2006-10-16 09:31 x
いつも積極果敢のクラウディア・カルディナーレ様、コメントが消えたにもかかわらず、おいで下さってホントにありがとうございます。東京で楽しい滞在をなさるよう祈ります。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-17 08:20 x
Biancaさん、滞在中になにか映画を見る時間があればいいのですが。東京でも女性監督シリーズをやってましたが劇場がちと遠い・・・とりあえず「フラガール」はみてみようと思ってます。

Commented by Bianca at 2006-10-17 14:53 x
ツァイ・ミン・リャンの「楽日」が、評判いいです。見る人全員絶賛して、今年一番との声も。27日まで、東京でやっているらしいので、CCさんいかが?大阪には、まだ来る予定がないです。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-18 08:38 x
Biancaさん、「楽日」調べてみたらナイトショーで上映していました。とてもみたい!けど見れるかどうかわかりませんがなんとか努力してみます。みれたら投稿します。情報ありがとうございました。

Commented by Bianca at 2006-10-18 23:27 x
楽しみにしていますね。終電車に間に合うかどうかが、東京でナイトショーを見る際の問題ですものね。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-20 07:10 x
Biancaさん、「楽日」行ってきました。But.......丁度ミーティングが渋谷で9時に終わりそれから劇場に駆け込みました。が時差ボケが全く抜けてない状態だったので睡魔に襲われ、うとうと、だめだめと自分を叩き起こす事の繰り返しで、一体なにを見たのだか・・・お恥ずかしい限りです。という訳でここに書けずじまい・・・それにしてもなんともくやしい・・・もう観に行く時間もないので・・・biancaさんのレポートお待ちしております。トホホ・・・

Commented by Bianca at 2006-10-20 11:48 x
ひゃー、それは災難でしたねー。世の中に睡魔くらい強力な魔ものはいないし、時差ぼけも、USAからと、UKからでは後の方がつらいらしいし。それに以前からCCさんと台湾芸術系映画は相性が・・あとは言いません。ところで、あくび とか いびき とかはなしで、静かに眠っておられましたか、せめて?

Commented by Bianca at 2006-10-21 12:40 x
以前「青春神話」をなぜか後半から見たら、何が何だか分らず、出てくる若者たちに全く共感できず、特に若い女性の生意気な表情、仕草には胸がムカムカして、飲んでいた飲料の缶をスクリーンに投げようかと思った、と、日記にあります。見たことさえ、忘れていたのですが。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-21 17:00 x
Biancaさん、ご察しの通り台湾芸術系映画との相性は・・・でございますが「楽日」は見れていないのでなんともいえません。(再度トホホ・・・)映画ってホント相性があって面白いですよね、最近ではTristan Shandyを見終わった後文句を友達に言いまくっていました。