19 September 2006

An Inconvenient Truth

An Inconvenient Truth by Davis Guggenheim 2006 USA

元米国副大統領アル・ゴアのグローバル・ウォーミング、環境問題キャンペーンを追ったドキュメンタリー。まあこのドキュメンタリー自体このキャンペーンの一環なのだろうが、とても充実していてまたエンターテイメント性も備え全体として非常に上手く出来ていた。

グローバル・ウォーミングの危機そして今なにが出来るかを全米そして世界各国を回って人々に訴えるアル・ゴア。このドキュメンタリーは氏の行う講義を中心 に又パーソナル面も交えてこの問題の必然性を問うている。氏の講義は、多くの科学的データーに基づいていかにこの15年で加速化した世界の環境変化を映像 でみせ、そしてこれから20〜50年先にはどのように進むのかを解く。またゴア氏は政府がいかに科学的データーを都合のいいように変えて行くかまで踏み込 み、そして政府のポリシーを動かすには、環境を救うには個人として一体何が出来るのかでくくっていた。

頭の中ではグローバル・ウォーミングが与える変化というものを漠然と分かっていながらも実際このドキュメンタリーを見てショックを受け自分が老人になった 頃の環境を考えると背筋がぞっとした。ゴア氏の雄弁さ、そして素晴らしくまとめあげられたプレゼンテーションの講義を通して一体私達個人としてなにをする べきなのかを深く考えさせられた作品であった。これがこのドキュメンタリーが発するメッセージである。(環境を考えてハイブリッドカーに買い替えたいので すが高いですよねー。トヨタさんもっと値段下げて!)初めに行った映画館では既にチケットが完売、次の映画館でも満席、アメリカでの興行成績は限られた劇 場での上映であったにも関わらずたしか8位をマークしていた筈。一般の関心の高さが現れています。

ア ル・ゴアは下院議員時代に「インフォメーション・スーパーハイウェイ」構想を打ち立ており、私個人的に先見の明に優れた政治家の一人だと思う。まあこの人 が大統領になっていたらこの世の中どうなっていたんだろう、あまり変わりないかもとも思ってしまい、逆に彼のイメージを考えると大統領にならないでよかっ たんじゃないかとも思えてしまう。(ブッシュよりかはましには違いませんが)ちなみにこの作品にはMacコンピューターがよく映し出されていたので、予算 はアップルからもらっているのかしらと思い調べてみたらゴアは2003年からアップル社の取締役に就任してました。Macでファイナル・カット・プロを 使って自分でビデオ編集までしてしまうそうです。まあとにかく多くの人に見てもらいたい作品です!

話は変わりますが、以前このブログでも紹介した友人がプロデュースしトライベッカ映画祭で観客賞を受賞したドキュメンタリー「Cats of Mikiritani」 (邦題:ミキリタニの猫)が東京国際映画祭でオフィシャルセレクションとして上映されます。興味の有る方はどうぞ。
プレス上映:10月23日20:50~22:04
一般上映:10月26日18:50~20:34、27日20:10~21:54
Tohoシネマズ六本木ヒルズにて

1 comment:

claudiacardinale said...

Commented by Count_Basie_Band at 2006-09-20 08:20
>まあこの人が大統領になっていたらこの世の中どうなっていたんだろう、あまり変わりないかもとも思ってしまい、逆に彼のイメージを考えると大統領にならないでよかったんじゃないかとも思えてしまう。(ブッシュよりかはましには違いませんが)

それが世の中なんですよね。
まったく他人事は思えません。

Commented by J.T. at 2006-09-20 22:32 x
こんばんは。
私もこの映画、とても気になっています。
今、ロシアのサハリン油田開発 ”サハリン2”の開発差し止めが話題になっていますよね。ロシアが大義名分にしているのは環境問題です。実際はロシアの権益拡大が目的の政治的な動きなであることは見え見えなのですが・・、まあ、それはそれとして、気になってサハリンの油田開発の規模を見てみると、実に膨大なものでした。海洋、森林とも影響を与える範囲は広範にわたっています。この開発で石油とともに産出されるのがLNGですが、購入するのはほとんど日本の電力会社やガス会社です。LNG 自体はCO2排出が少なくエネルギー効率のよい燃料なので、CO2排出抑制を促進する動きではあるのですが、そのために自然環境に大きく影響を与えていると思うと、ちょっと複雑な気持ちになりますね。

Commented by yochy.1962 at 2006-09-21 18:16
もうすぐ日本にやってくる、あるいはもう来たのかな。見たい映画です。
恐い話はたくさんありますね。我々に知らされていないこともたくさんあります。我々が年寄りになったときのことを考えると……確かにぞっとしますが、その前に人類は滅亡しているかもしれません。
2012年に人類は滅びる、という説もあるそうです。

Commented by Count_Basie_Band at 2006-09-22 08:53
>2012年に人類は滅びる、という説もあるそうです。

もう1年、2013年にしていただけません?私の「喜の字」ですから(笑)。

Commented by claudiacardinare at 2006-09-22 19:49
CBさん、2年後の次期大統領に期待したいです。まあだれがなってもブッシュよりかはましなのは確実だと思います。

Commented by claudiacardinare at 2006-09-22 19:51
JTさん、このドキュメンタリーの中でも経済vs環境の問題も取り上げていました。けどやっぱり環境なくしては根本的に人間の居場所がなくなってしまいますからね。方法論は色々あるんだと思います。(と願ってます)

Commented by claudiacardinare at 2006-09-22 19:55
Yochyさん、2012年ですかぁ、あら後6年しかない。まあ滅びなくても確実にその方向には進んでますよね。6年後は一体どうなってるんでしょ?6年後自分自身がどう成長しているのかも想像がつかない状態・・・

Commented by Count_Basie_Band at 2006-09-23 10:21
>まあだれがなってもブッシュよりかはましなのは確実だと思います。

そりゃそうです。
日本は変わるところ。新顔は戦後生まれで、戦場どころかストリートファイトも経験してないのに、あるいは経験していないからこそ軍事大国を目指しています!
ところでBlair辞任表明の反応はいかがですか?
彼の発声と発音は妙に好きなのですが...

Commented by claudiacardinare at 2006-09-24 18:20
CBさん、これからの日本の保守化益々加速化されそうですね。個人的にブレアは好きなのですが、リベラル派のペーパーなどでは相変わらず叩かれています。やっぱりイラクへの参戦で嘘をついた事が大きな原因。個人的に残念です。ブッシュと組んだ外交があだとなってしまいました。

Commented by Count_Basie_Band at 2006-09-25 08:52
CCさん、

>リベラル派のペーパーなどでは相変わらず叩かれています。

メディアによって評価が違うところが日本と他の先進国との決定的な差ですね。日本では、朝日と産経が両極とされていますが、実際には報道姿勢、論評は似たり寄ったり、大同小異です。最近5年間でこの傾向が一期に強まりました。
要するにメディアは政府に逆らえないのです。真の意味での言論の自由はありません。この閉塞感が昨今のブログ・ブームに繋がっていると思います。ところがブログ管理者にも政府側がおり、反政府的な発言を封殺しに来ます。かくして、ひたすら収奪される一方の高齢者は息もできなくなりつつあります。 BulldogとBeaglewqを連れて脱出しようかな。