24 September 2006

The Queen

The Queen by Stephen Frears 2006 UK

The Queenこと女王陛下のエリザベス2世。1997年ダイアナが交通事故で急死、盛り上がる一般英国市民の悲しみとそして女王への批判が高まる中でのエリ ザベス女王の葛藤を描いたドラマ。というととてもシリアスな重い内容だと思えるが実はコメディー要素も取り入れ結構笑える映画であった。またそのコメ ディー部分から英国の気質もかいま見る事が出来た。

チャールズ皇太子との離婚騒動によってロイヤルファミリーに半旗を翻したダイアナ。彼女の死に、ロイヤルファミリーとしての対応をかたくなにこばむエリザ ベス女王(Helen Mirren)。一般市民はその冷たい対応に不満をあらわにしメディアはけしかけるように王室を攻撃する。首相に就任したばかりのトニー・ブレアー (Michael Sheen)はこの王室の危機に女王に適切な対応をするように説得する。

今 までダイアナよりだった報道の中でこの映画ではエリザベス女王を好意的に描いていた。エリザベス役のヘレン・ミレンは公務第一、個人的感情はその次のポリ シーを厳守する女王の姿の中にも人間味を上手く出していたのがキーだろう。現在まだ生きている人物を演じる事は役者にとって大きな挑戦であると思う。ト ニー・ブレアーを演じたマイケル・シーンはずっこけブレアーという感じであったがマイケル・シーンなりの解釈で演じていたので好意はもてた。

この映画を見終わった後、これからはメディアの潮流が変わってくるのだろうと感じた。ダイアナの悲劇に関して、彼女が民衆から好かれていた事は事実だが、 事故とそして悲劇のクイーンとして濁流のように報道され大衆心理現象によってこれだけ大きな反響を及ぼした。チョムスキーのメディアコントロールではない がいかにメディアをコントロールするかによってそしてパブリックオピニオンを得る事が重要な訳だが、いままで散々この戦略そしてその作られた虚構を味わっ てきた私達市民はそこまでバカじゃあない。これからの時代は賢くなった市民に対してどのような作戦を練るのかがポイントじゃないかと考えさせられた。(あ らっどっちの立場からの意見?なのかしら)

ベニチア映画祭においてエリザベス女王を演じたヘレン・ミレンが最優秀女優賞、そしてPeter Moganが脚本賞を受賞している。

5 comments:

claudiacardinale said...

Commented by Bianca at 2006-09-25 14:36 x
フムフム、英国民の気質が現れているというわけですね。QUEENと言う単語は、ロックからSM、女装まで幅広く使われていますが、それを許容している英国王室も懐が深い。一方日本ではどうか、上映中の「太陽」とも見比べようと愉しみにしています。

Commented by J.T. at 2006-09-25 21:55 x
日本では考えれないことですが、現役のQueenを映画にしてしまうのだから、すごいです。
王室と国民の距離も日本とはまったく違うのでしょうけど・・・
そうか、ヴェネチアで主演女優賞と脚本賞を取ったんですよね。早くみたいです。

Commented by claudiacardinare at 2006-09-25 22:41 x
Biancaさん、ユニオンフラッグもリベラルファッションの象徴みたくなってますよね。日の丸では考えられない・・・「太陽」みました。(ブログにもあります!)よーく思い出してみるとタイプは違ってますが笑える面もありました。これはローヤルファミリーに共通する事なのでしょうか。

Commented by claudiacardinare at 2006-09-25 22:43 x
JTさん、ホントまだ実在する人を映画にしてしまうってのは凄いです。どう描写るすのかがとても難しいですよね。けどこの映画はQueenに好意的だったのでローヤルファミリーにはよかったのかも。

Commented by margot2005 at 2006-09-26 23:50 x
CCさんこんばんは!じゃなく...こんにちはでしょうか?左の時計見てまた飛行機に乗りたくなってきました。
さてこの作品とても楽しみにしております。カンヌ映画祭はロイターで映像を見ただけですが、ヘレン・ミレン大好きなんです!素晴らしい白のドレスでレッド・カーペット上で王室風のお辞儀をしていた写真を見ました。ヘレンは普段は庶民的な人でロンドン・バスを利用して出かけるなんて記事も見かけました。CCさんロンドンの街でヘレンとすれ違ってらっしゃるかもしれませんね..
東京でも早く上映して欲しいです。ちなみにこの映画にはダイアナは登場しないのでしょうか??彼女の亡くなった後の話を描いてありますものね。

Commented by claudiacardinare at 2006-09-27 19:02 x
margotさん、お久しぶりデス。この映画でダイアナも出てますがあくまでもニュース素材からでした。昨日チューブの中でタブロイド(チューブの中にいつも各紙おいてあるんです、乗客間で読み回し)を見てたらオフィスでフラーティングしたいタイプの女優にヘレン・ミレンが入ってました。確かエリザベス・ハーレーも入ってたかな。もちこんな素敵な女性がオフィスにいたら注目の的ですよね。(笑)ロンドンではまだ有名人にお目にかかった事はないですが、NY にいた時は道を歩いてるだけで結構色んな人見かけましたよ。つい最近ではニコル・リッチーがパパラッチに追いかけられているのを目撃しました。彼女達も大変ですねぇ。

Anonymous said...

やっと日本でも公開されました。
いや良かったですね。ヘレン・ミレンの演技はやはりオスカーものでしたね。バッキンガムを思い浮かべてしまいました。スコットランドのバルモラル周辺の景色は広大で素晴らしかったですね。スコットランドに行きたくなります。
CCさんのご主人様は英国の方だそうですが、あのようなダイアナに対するバッシングってOKなんですね?日本じゃ考えられないのでびっくりしましたが...前に英国に行った際、オルソープまで足を伸ばす予定でしたが、遠くてあきらめました。ノーサンプトン州には入ったのですが...今ではダイアナのお墓も一般公開してないようですね?あの時行っていればと残念でなりません。

claudiacardinale said...

margotさん、当時私はアメリカだったのですが、ロイヤル好きアメリカでは相当ダイアナ同情より報道が殆どでした。けどBBCが行ったダイアナのインタビューの時(確か黒ジャケットに白シャツの装いだったような)のアイラインばりばりに決めたメーキャップはいかにも被害者的だと結構ぶちぶち言われてました。そういえば昨日のニュースではウィリアムスとケイト・ミドルトンが破局したと言ってました。彼女にとってはそのほうが正解だったような、24時間パパラッチに追いかけられるよりはねぇ。オルソープ随分前に行きました。ブックレクチャーで弟の・・・(あー名前が出てこない・・・)が司会をしてました。どでかい敷地でした。

Anonymous said...

claudiacardinaleさん、私もようやく見ることが出来ました。あまりの盛況で、断念すること数回。結果は、良かったです・・・・スティーヴン・フリアーズ、いつも社会の陰の部分に光を当てる彼、今回は自国の女王とは。ブレア首相が絶叫する〔”後足で泥を掛けて行った小娘を弔おうとしているんだ”)シーン、あれが主意ではないかと思います。女王は若き日に老人のチャーチルに助けられ、いま年老いて若きブレアと協力しているわけ、彼女の人生を振り返る映画でもありますね。

claudiacardinale said...

biancaさん、ホントこの作品はエリザベス女王の人生を振り返る映画ですよね。本人の感想を是非聞いてみたいです。25歳で戴冠して現在で55年間とは長いですよね。ちなみに私が利用する地下鉄はJubileeライン、これは女王戴冠25周年に作られた地下鉄ラインです。今日のタイムズに70年代特集がありこの日だれもが道に出てパーティーをして祝っている写真が載ってました。