8 October 2006

Jesus Camp

Jesus Camp by Heidi Ewing/Rachel Grady 2006 USA

キリスト教福音宣教会のフィッシャー女史が行う子供のサマーキャンプを追ったドキュメンタリー。アメリカ人口20%を占める福音宣教会信者。彼らの殆どは子 供を学校に行かせず家庭で天地創造説を子供達に教えている。又ロビー勢力は強くキャピタルの政策にも大きく影響している。 昨年、進化論に反対するインテリジェンスデザインを公立学校に導入するしないでもめたカンザス州は記憶に新しいだろう。ブッシュは「God」を連発しイラ クはHoly Warとなっている。 アメリカで約200年間保たれてきた政教分離は一体今どうなっているのだろうか?

ノースダコタ州デビルズ・レイクで毎年夏に開かれるKids Fire Summer Camp。ここには全米、全世界の福音宣教会信者家庭からの子供達が送られてくる。フィッシャー女史の使命はGod's Armyを作る事、そのため子供達を特訓するのである。女史いわく、イスラムでは子供を幼少時から教育しイスラム教徒を育てている、だからキリスト教もそ うありたいという。キャンプでは子供達に原罪を懺悔させ、中絶反対を解き、ハリーポッターは死ぬべきだといい、キリスト教を推進するブッシュを子供達と奉 り、ヨハネの黙示録を信じているためグローバルウォーミングは問題ないと子供達に教え、アメリカはキリスト教精神に基づいて建国されたと教える。その行程 は歌い、踊り、懺悔、泣きまくり、喜び、メンバーの言葉に賛同し、陶酔状態そのものを経験させる方法である。そして子供達はキリスト教ロックを聞き、子供 ながら驚く程雄弁にキリストを語り、外では宣教活動にいそしむ。

子供のかわいらしさは残しつつもはっきりいって恐ろしい状態である。見終わった後の感想は、非常に後味が悪かった。宗教は個人の自由なのでとやかくいうつ もりはないが、子供に対してこの方法を用いる事ははっきりいって犯罪に等しいというか犯罪である。こうやって人間は洗脳されラディカルになっていくのかと 思うとぞっとした。アメリカという名の下なのかキリストなのか分からないが、このキャンプはまさにGod's Army養成所であった。

この監督の2人、Heidi EwingとRachel Gradyはこの手宗教からみのドキュメンタリーをいくつか今までに制作しているようである。

またもやサブ情報ですが、アメリカでは来週から「Infamous」が公開されます。これはカポーティの「冷血」執筆を追った内容。????アカデミー賞 を受賞したホフマン主演の「Capote」と同じです。????なぜなに???ですがカポーティ役にはトビー・ジョーンズ(ホフマンの後にこの役をすると は!肝が据わってますねぇ)、犯人のペリー役はなんとダニエル・クレイグ、他にサンドラ・バロック、グエニス・パトロー、シゴーニ・ウェバー、イザベラ・ ロッセリーニとキャスティングは凄いのです。番宣を観ましたがやっぱり????なんで????です。

1 comment:

claudiacardinale said...

Commented by J.T. at 2006-10-09 21:25 x
こんにちは。
>アメリカ人口20%を占める
そんなにもいるのですか・・・しかもロビー勢力を持ってるのですね。自分の勉強不足ですが、あまりそういう視点で合衆国をみることをしてませんでした。この辺は根っからの日本人なんでしょうね。どうしても日本人の国家感で国というものをみてしまいます。それにしても、洗脳教育ほど恐ろしいものはないです。そういう意味では日本の方がノーマルな国なのかもしれないと思ってしまうのですが・・・
それと、サイド情報ありがとうございます!
「Infamous」、日本公開がいつになるのか分かりませんが、色んな意味で気になる作品ですよねー

Commented by miki3998 at 2006-10-10 08:47 x
こんなことが現実にあるのですね。先日のアーミッシュの学校で起こった乱射事件もよくわからない事件でしたが、知らない世界といって片付けられませんね。まして子供たちを洗脳するなんて、恐ろしいです。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-10 19:02 x
JTさん、アメリカはとてもコンサバです。特に南部。この国極端なんです、斬新な事を生み出してたり一方ウルトラコンサバだったり。以前取材でテキサスにあるゲイ専門の中、高校に訪れた事があります。この学校、となりにあるゲイを認めるカトリック教会が運営していました。こういう寛大な教会もあるんですね。
私もInfamousは気になりますのでタイミングがあえば見てきますので又ご報告致します。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-10 19:05 x
miki3998さん、アーミッシュの事件もショックでした。それ以上にびっくりしたのが事件が起きたその夜アーミッシュの牧師が犯人の家族にあって罪を許しますと述べた事。宗教って解釈の問題なんでしょうね。

Commented by miki3998 at 2006-10-10 19:30 x
ええ~、・・・絶句です!

 実は大学がミッション系でした。社会人になってからですが、私も思うところがあって、バプテスマを受けましたが、いい加減な信者です。プロテスタントの教会でしたが、今鎌倉では教会に行っていません。内村鑑三ではありませんが、今の教会には疑問を持っておりますので。ね、いい加減でしょ(笑)。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-11 01:13 x
mikiさん、ある時期ミッション系の学校に、またある時は仏教系の学校に行ってました(家の親もいいかげんですねー、まあ近所だったからという単純な理由ですが)のでわたしはチャンポン状態ですが宗教の時間はいつもさぼってました。今はユダヤ人の友達も多く、様々な思想、考え方の違いを楽しんでます。イスラム系の友達がいないのが残念です。

Commented by Bianca at 2006-10-11 21:17 x
いえいえ、そちらの友人だけは慎重にお選びになった方が良いと思いますよ。寛容な人、視野の広い人、教育程度(宗教教育以外の)が高く、外国経験のアル人でしたら結構ですが・・・宣教師などとは近づかぬ方が・・・

Commented by claudiacardinare at 2006-10-12 05:05 x
Biancaさん、どうもラディカルな人に遭遇すると(特に宗教)体が自然と拒否反応を起こすので大丈夫かと思います。(笑)ご心配頂きありがとうございます。

Commented by Bianca at 2006-10-21 18:51 x
奥崎謙三氏は「神軍平等兵」と自称していました。考えて見ると、これも
GOD’S ARMYになるんですが・・・

Commented by pittarison at 2006-10-21 19:40 x
お久しぶりです。どうにも変な音楽家です。この記事には関係ありませんが以下のブログに引っ越しました。お暇なときにでも起こし下さいませ。
http://pittarison.blog80.fc2.com/

Commented by syumitetu at 2006-10-29 23:44 x
コンバンワ! ピッタリソンです。
懲りずに以下の「趣味の哲学」というブログを始めました。
「シーシュポスの神話」から引用しました。
トラバが送れないようなのでここに書きました。
お暇なときにでもお越しくだされば幸いです。
http://syumitetu.exblog.jp/

Commented by claudiacardinare at 2006-10-30 14:47 x
Biancaさん、お返事遅くなりました。東京で怒濤の日々を送っていてやっとNYの方に戻ってきました。残念ながら「楽日」以外にはなにも見れませんでした・・・God's Armyを唱える人はやはりイッてる人ですよね。今Paul JohnsonのIntellectualsを読んでます。名だたる思想家や文豪のゴシップです。ルソー、マルクス、トルストイなども神懸かりな事を結構やってたようです。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-30 14:49 x
ピッタリソンさん、前のブログにアクセスしたらサイトがないっとあったのでえーそんなー残念と思っていた処でした。よかった、よかった。早速新しいサイトと「趣味の哲学」に遊びに行きます。

Commented by syumitetu at 2006-10-30 23:23 x
>ルソー、マルクス、トルストイなども神懸かりな事を結構やってたようです。

まだ「Intellectuals」は読んでないので興味津々です。特にマルクスのが知りたいですねぇ。フロイトもコカイン好きだったようですが・・・

Commented by Bianca at 2006-10-30 23:43 x
NYにお帰りになって落ち着かれたことでしょう。日本の映画鑑賞が「楽日」だけだなんて・・・・聞くも涙、ですね。その本は、たまたま6月ごろ図書館から借りて読みましたが、もう一度読み直そうと思います。GAYという単語を、現在の意味で始めて使用したのはケネス・タイナンで1957年とか、つまらないことしか記録してないので。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-31 12:41 x
syumltetuさん、biancaさん、まとめて書いてしまってすみません。intellectuals を購入した時はとても面白そうでわくわくしていたのですが、読んでみるとそこまで・・・ではありません。すみません、期待させて。でもロシア人はギャンブル好きですね、また好色旺盛。人間の内面をえぐろうとするとどこかで自己を破壊して行かなくてはいけないのかとつくづく思います。

Commented by claudiacardinare at 2006-10-31 12:42 x
biancaさん、syumltetuさん、まとめて書いてしまってすみません。intellectuals を購入した時はとても面白そうでわくわくしていたのですが、読んでみるとそこまで・・・ではありません。すみません、期待させて。でもロシア人はギャンブル好きですね、また好色旺盛。人間の内面をえぐろうとするとどこかで自己を破壊して行かなくてはいけないのかとつくづく思います。

Commented by Bianca at 2006-10-31 16:28 x
ちょっと一言。「つまらないことしか記録してない」とは、私が、日記にという意味で、著者を貶めたのではありません。たしか、サルトルとボーヴォワールに関して、面白い暴露があったような気がします。これを読んでから、猛然と、あの2人(SとB)に関係する本を読み出した記憶が。

Commented by claudiacardinare at 2006-11-02 11:32 x
Biancaさん、わたしもサルトルとボーヴオワールの関係の本数冊読みました。たしかお互いけなし合いながらも感化しあった関係だったと覚えています。

Commented by Bianca at 2006-11-02 18:29 x
そんな微笑ましい関係とは違います。サルトルが女好きなので、Bは自分の生徒たちを片端からあっせんしていたばかりか、自分もある女生徒と関係を持ち、未成年誘拐罪で訴えられたことがあるというのです。(キャーッ!)

Commented by claudiacardinare at 2006-11-03 02:25 x
Biancaさん、壮絶な関係とは覚えていたのですが、そこまで凄かったとは!でまた「Intellectuals」にもどりますが、登場する皆さんみな倒錯してすごいです。丁度ヘミングウェイについて読み終わった所です。

Commented by Bianca at 2006-11-03 10:01 x
CCさん、ここに書いていることは、[Intellectuals]で知ったことですよ~。ケネスは、13章に登場します。(その他おおぜいとして)また借りてきましたので、ヘミングウェイをこれから読もうと思います。

Commented by claudiacardinare at 2006-11-03 14:31 x
Biancaさん、目次をみてみるとありました、ありました、サルトル。でもその前にブレヒトとラッセルです。すっとばしてとりあえずサルトルに行きます。