27 December 2006

Pan's Labyrinth

Pan's Labyrinth by Guillermo del Toro 2006 Spain/Mexico


素晴らしい出来だったが見終わった後かなりブルーになった作品だった。スペイン内戦後1944年北スペインで人民軍のゲリラが勢力を強める。これを鎮圧するためフランコ政権から送られたサディスティックなヴィダル大尉(Sergi Lopez)、そして前夫が亡くなり身を守るためヴィダル大尉と結婚し難産に苦しむカルメン(Ariadna Gil)と前夫との子供オフェリア(Ivana Baquero)が山岳部隊に到着する。オフェリアはこの部隊基地の隣にある迷路で半人半羊のファンと出会い秘密の世界のプリンセスと告げられそこでは亡き父親や愛する人々に再会できると告げられる。この世界に連れて行く事を引き換えに永久に半人半羊の魔法をかけられたファンを助ける事を約束する。


ファンタジーと生々しい残虐な映像が錯綜し、現実を目の当たりにしながらも子供なりに想像の世界に投じる事によって生きのびようとするオフェリア。子供の視点から戦争を語った力強い内容である。

子供と戦争といえばロベルト・ベニーニの「Life is Beautiful」があるがこれはいただけなかった。美談好きのアメリカでは絶賛されていたがどうも偽善的要素が拭い切れていない気がした。この「Pan's Labyrinth」はとても現実的な要素で構成されており、それがオフェリアのファンタジーと二律背反しなんていったらいいのだろう?力強いメッセージを発してた。悲しい内容なので体力の有るときに観る事をお勧めします。

5 comments:

Bianca said...

CCさん、お早うござんす。
スペイン内戦、1944年、山岳部隊なんて言葉に反応してしまいました。「戦火を逃れて子供が入りこんだ隠れ場」とか「半人半獣の登場」とかは、「ナルニア国物語」に通じるものがありますね。スペイン内戦は、渦中にあった人より、周辺の人たちが話題にしていますね。「誰がために鐘は鳴る」や、ヴィクトール・エリセ監督の「エル・スール」どちらも好きなんですけど。ボーヴォワールの自伝にも、スペイン人の友だちとか志願した知人の話が出てきます。何故、自国のことを語れなかったのか、おそらくフランコ政権が戦後も続いていたのが大きいのでしょうか?日本にも通じることかもしれませんが。
ともあれ、面白そうな映画ですね。タイトルはどうするのかな。このままではちょっとね・・・

claudiacardinale said...

biancaさん、おはようございます。
おっしゃる通りヘミングウェイやピカソとかスペイン内戦を題材にした作品は多いですね。やっぱり独裁政権が長かったためにこういう手段で訴えるしかなかったのでしょうか。「エル・スール」は初めて知りました。早速借りてきます。

J.T. said...

ギレルモ・デル・トロ監督といえば、”ミミック”。大分前に見たのですが、五感に訴えるなんとも言えない気味悪さを感じつつ、意外と引き込まれる閉鎖空間からの脱出という単純なストーリー。怖いものみたさ感覚も手伝って、彼の世界に引き込まれて行ったのをよく覚えています。その後の”ヘルボーイ”ではどちらかというとヒューマンな感じ、”ブレイド2”はバンパイアの不気味+肉弾アクションに徹底してましたね。
...今、このPan's Labyrinth のトレイラーをみましたが映像的にも興味を惹かれるものがあります。日本では2007年秋公開との噂も聞きました。テーマは重そうでも、
claudiacardinaleさんのレビューを読んで是非映画館で見てみたいと思いましたよ。

claudiacardinale said...

JTさんはデル・トロ監督の作品多く観てらっしゃるんですね。私は初めての作品でした。「ミミック」と似ていて映像が不気味ながらも引き込まれる感じでした。この監督はこの手が得意なんでしょうかね?

J.T. said...

あけましておめでとうございます!
自分のBLOGで、日本でこれから公開される気になる映画を挙げてみたら、claudiacardinaleさんが紹介してくれた映画がほとんどになってしまいました(笑)
今年も素敵な映画を沢山紹介してくださいね。ヨロシクお願いします!

ところで、ギレルモ・デル・トロ監督、特殊メイクの仕事を長期間やってきた人で、日本のアニメの影響も受けているとのことです。ですから、この系統の映画はほんと得意なんでしょうね。『ターザン』のリメイクもののメガホンもとることになったとか・・・どんなターザンになるんでしょうかねぇ。