1 July 2007

La Vie en Rose

La Vie en Rose by Olivier Dahan 2007 仏

フランスで最も愛されたシャンソン歌手エディット・ピアフの伝記映画。昔一時期ディートリッヒとピアフのシャンソンをよく聞いていたので「バラ色の人生」や「パラン・パラン」を久々に聞けてなんとなくいい気分だった。ピアフの人生はアル中以外なにも知らなかったが、やはり想像通り壮絶な人生だった。

ピアフ(Marion Cotillard)は1915年パリの貧民街に生まれる。母は歌手で父は大道芸人であった。幼い頃、売春宿を経営する父の母親に預けられ、一時期視力を失い、後父に引き取られ旅芸人として暮らし路上で歌い始める。後ナイトクラブのルイ・ルプレー(Gerard Depardieu)に見いだされプロの歌手の道を進んで行く。ルイが殺害され、恋人の飛行機墜落事故、アル中、自動車事故、モルヒネ中毒と経て47歳で亡くなる。この映画では彼女の幼少期から成功するまで、フランスで成功後のアメリカツアー、そして落ちて行くまでを描いている。彼女が何故こんなにフランス人に愛されているのかという事が描ける肝心の第二次世界大戦のレジスタンスの部分がまるっきりなかったのは残念。

ピアフを演じたMarion Cotillardはなかなか、見ている者をぐぐっとピアフの世界に引き込んでくれた。この手の伝記物、特にエンターテイナーものはやっぱり主演の力量。いかにその世界に自然に溶け込まさせ、そしてそれ以上に何か観客にアピールするものがないとどうしてもしらけてしまいますからねぇ。最近ではやっぱりエリザベスを演じたヘレン・ミレン、「Walk the Line」でジョニー・キャッシュを演じたホアキン・フェニックスなどが印象に残っています。そうそう、若くして死んだラテン歌手セレナを演じたジェニファー・ロペスもなかなかよかった。この映画で彼女は一挙にスターダムにのし上がりましたからねぇ。それにしても天才アーティストというのは皆よく似た人生を送ってます。多分天才的DNAが独立して肉体を乗っ取って暴走するからなんでしょうか、破天荒な生き方が多いです。

長い間これっといって劇場まで足を運んで見たい映画がありませんでしたが、アンジェリーナ・ジョリー主演でパキスタンで誘拐殺害されたアメリカ人ジャーナリストのダニエル・パール主題の「A Mighty Heart」、マイケル・ムーアの「Sicko」などが控えているので楽しみです。

6 comments:

Anonymous said...

最近のエンタテイナー伝記物の主演者の力量には驚かされますね。ホアキン・フェニックスは特に素晴らしかったです。
そうそうヘレン・ミレンといえば、先日彼女が演じた「エリザベスⅠ世」を観ました。「クィーン」もよかったですが、こちらの演技力も素晴らしかったです。
名前を聞くことはよくありあますが、ピアフのことはよく知らないのです。お話を聞くと、多聞にもれずという表現は変ですが、波乱万丈な人生だったようですね。でも、同じ伝記物でもフランス映画だと、ハリウッド映画とはおもむきが大分違うのでしょうね。

あ、マイケル・ムーアの「Sicko」、先日見た映画の予告編やってました。”医療関係者は絶対に絶対に観てください”というキャッチのやつですよね。日本では8月25日から上映ですが、確かにこれも楽しみです!

claudiacardinale said...

JTさん、こんにちわ。そうこの映画、ハリウッド資本で作ったら勿論英語になっていた訳でちょっと・・・という事でフランス映画でよかったです。

「Sicko」はどうなんでしょうね?公開前から米移民局にキューバで撮影した分の素材が没収されるのされないのとぐたぐたもめてましたし。アメリカってう国は健康保険が国費でまかなわれてないので私も月々8〜10万近く保険を支払わされてました。今イギリスは健康保険が国持ちなのでその点、天国のような感じです。というかこれが本来ですよね。でも日本にしてもイギリスにしてもだんだんとプライベート化しているのが悲しいです。

Anonymous said...

ピアフはいつだったか、声だけは聞いたことがあります。道路で生まれたと言う説もあり、愛に飢えていたので、モンローがそうだったように、それ以上に壮絶な人生だったようですね。コクトーとの友情もあり、彼女の死を聞いた数時間後に亡くなったとか。「パダム、パダム」はいい曲ですね。

claudiacardinale said...

biancaさん、映画でもコクトーから捧げられた詩を独唱してたり、グレタ・ガルボが登場したりと、名だたる仏文化人の名前が沢山出てきました。

そういえば「真夜中のサバナ」やっと昨夜見ました。不思議な映画というか、南部の独特の雰囲気を見事に画面に表してました。面白かったです。でもイーストウッドがこんなのを撮っていたなんていがいでした。

Anonymous said...

こんばんは!
エディット・ピアフは素晴らしいシンガーだと思います!
彼女のシャンソンは素敵ですね。かつてレコード(古っつ)所有してましたわ。
フランス映画(最近のものでも)のバックにピアフの歌って使われているんだなぁと感じること多々でございます。
この作品なんとなく予告観たような気がするんです。「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜」という邦題で今年の秋に公開されます。観に行きたいですね!

アンジェリーナの映画も公開されそうなんで楽しみにしています!!

claudiacardinale said...

margotさん、やっぱりいらっしゃいましたねぇ。多分好みの映画だろうと察してました!私この映画見てパリに直行したくなりました。丁度バスチーユオペラでエミール・クストリッツァが「ジプシーの時」の舞台監督をしているのも発見!!これを口実に行くぞとチケット調べたら全て完売でした・・・うっっっっっ・・・こういうのはやっぱり早くに入手しないとだめですねぇ〜〜〜。でもパリに行きたい。