9 July 2007

The Wild One

The Wild One by Laszlo Benedek 1953 USA

あまりにも有名だから既に見たと錯覚をおこしてしまう映画がいくつかあるけど「乱暴者」はそのうちの一つ。革ジャン、Tシャツ、航空隊帽子できめたマーロン・ブランドがバイクに乗っている姿はアイコン的イメージ。53年といえば丁度エルビスが出てくる直前で、ロックンロールが流行だした時。この「乱暴者」は若者を主体としたハリウッド映画の先駆者的映画。当時50年代ではこの映画はかなりセンセーションだったと思う。

誰からの指示を受ける事が嫌いなジョニー(マーロン・ブランド)が率いる暴走族The Black Rebels Motorcycle Club (BRMC)がある田舎町にやって来た。好き放題に暴れる暴走族は予想通り街の住民とトラブルを起こす。ジョニーはカフェに勤める保安官の娘ケイティー(マリー・マーフィー)に一目惚れしなんとか彼女の気を惹こうと試みる。その間にチノ(リー・マービン)率いる敵対するBRMCの片割れもこの街にやって来た。トラブルを起こす暴走族に対して保安官の煮え切らない態度に街の男達はジョニーを捕まえリンチする。ジョニーはなんとか逃げ出すが、街中でバイクから引きづり落とされ住人達に取り押さえられる。そしてその暴走したバイクは老人をひき殺してしまう。

今見てもなかなか面白い。なんといってもマーロン・ブランドが反抗的なジョニーをナイーブによく演じ切っていた。話そして流れの雰囲気はなんというかこう不思議な部分もあるが、逆に街のコンサバ住人と対比が出て、そして暴走族の奔放さそして若いエネルギーとそのもろさが感じられた。

音楽はビッグバンド・ジャズ、ビーバップ。シネ・ジャズの先駆的作品といわれている「死刑台のエレベーター」のような雰囲気で全体を包んでいた。ちなみに調べてみると「死刑台のエレベーター」は1957年製作、って事は「乱暴者」のほうが先だった。

公開当時はセンセーショナルだったんだろうと思う映画で実際に今見てその面白さがわかる作品は数少ないような気がしますが、この「乱暴者」はとても楽しませていただきました。

6 comments:

Anonymous said...

こんにちは、”乱暴者”は観ていないのですが、この頃のマーロン・ブランドの作品では、メキシコの革命家を題材にした”革命児サパタ”を観ました。
今調べたら、1952年の作品ですから、ブランドは28歳なんですね。
20代とは思えない貫禄と、口ごもったような話し方、あの目つきはとても印象に残ってます。
乱暴者、面白そうですね。レビューを読ませて頂いたイメージだけでもマーロン・ブランドのはまり役って感じ!

claudiacardinale said...

JTさん、「革命児サパタ」見た事ないですが、今調べてみたらスタインベックでエリア・カザンなんですね。これでブランドと来たらなかなか面白そうです。ブランドではやっぱり「ラスト・イン・パリス」が好きですね。ブランドじゃないとだめな映画って結構ありますよね。偉大な俳優(怪優)です!

Anonymous said...

こんばんは!
マーロン・ブランド映画って「ラスト・タンゴ・イン・パリ」「地獄の目次録」「ゴッド・ファーザー」「スーパーマン」のイメージしかないんです私的に...
「波止場」は途中で挫折しましたし...かの有名な「欲望という名の電車」すら観ておりません。
ブランドの再来と言われ、最近引退したばかりのハリウッドの大俳優ポール・ニューマンは大好きで、ありとあらゆる作品観ていますが...
ブランドって個性キツいですものね。
でもでもつい最近ブランド主演の日本舞台の「サヨナラ」を観たんです。ブランドってあんなに素敵な俳優だったんだと彼に対する意識変わりましたわ。
“The Wild One”を始めとしてマーロン・ブランド作品観てみたいですね。

claudiacardinale said...

margotさん、「サヨナラ」みるとマーロン・ブランドのイメージがあれっっーーーーというくらい変わりますよね、ソフトな面をみたような。個人的にはワル系よりもソフト/ナヨナヨ系の方が好みなので「サヨナラ」のブランドの方が実際つきあうとしたらこっちの方がいいのですが、(すみません、私的で、笑)ブランドの映画ではやっぱり「ラスト・タンゴ・イン・パリ」ですぅ。

Anonymous said...

「男たち」「欲望という・・・」「波止場」「戦艦バウンティ」「禁じられた情事の森」「妖精たちの森」「ラストタンゴ・インパリ」「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」「サヨナラ」と、「乱暴者」はべつですが、結構見ています。好きなタイプでもないのに・・・。あの口ごもったしゃべり方は、ジェームス・ディーンも真似ていますね。この二人は恋人同士だったという説も。カポーティの「The Duke in His Domain」は、「サヨナラ」の撮影中、京都の都ホテルでのブランドを取材しているようです。 

claudiacardinale said...

biancaさん、さすが色々と見てらっしゃいますね。カポーティがブランドのプロファイルを書いているとは知りませんでした。またブランドのゲイ説は初耳でした。とはいいつつあまり違和感がないのもなんですが。晩年は息子が確か妊娠中の娘の恋人を射殺したり、その娘が自殺したりと、本人自身もそのままドラマですよね。