1 September 2008

Somers Town

Somers Town by Shane Meadows 2008 UK

Somers Townとはロンドンのユーロスター始発のSt. Pancras駅とすぐそばにあるEuston駅の間にある一角。ここ数年この地区は新しいユーロスターの建設に伴い多くの工事現場が集中する開発地域である。多くの外国労働者、特にポーランド人が多い。「Sumers Town」はここを舞台とする心温まる小粒な作品だった。

家出少年Tomo(Thomas Turgoose)はロンドンに到着するやいなや、唯一の手荷物をギャングに盗まれ途方にくれる。働き者ポーランド人出稼ぎ労働者Mariuszの息子、Marek(Piotr Jagiello)は父親と2人でこのSumers Townに住み、友達もおらず一人で写真と撮りながら日々を過ごしている。この2人が不意に出会い、行く宛のないTomoはMarekのアパートに潜入、Marekの父親に隠れて住むようになる。この2人、カフェでバイトするフランス人女性Maria(Elisa Lasowski)に恋して共同で彼女の気を引こうとする。

お話自体はあっけないくらいとても簡単な、ほんわかしたコメディー。後味はこうティーンの頃の楽しい思い出という感じでしょうか。前日にDVDでケン・ローチの「It's a Free World」見ていたので、似た設定でも両極でした。「It's a Free World」の方はロンドンで違法外国人労働者のリクルートにはまっていく女性の話。勿論社会派ケン・ローチなのでヘビーです。

この家出少年を演じているThomas Turgooseはなかなかいい役者です。不良ながらも憎めないキャラ、そしてさらりとコメディーを演じるあたりは、この役者のもともとの素質でしょうか。前回同じ監督で見た「This is England」でも好演していました。ちなみに「This is England」では辛口のコメントを書いたのですが、これには反対意見、それも結構不躾な形で何通か頂きました。頂いたコメントから「This is England」って結構コアな支持層があるという事を知った次第です。それにしても「This is England」を日本で見たという人は相当なイギリス好きなというかパンク好きな人達なのでしょうね。

という事でこの「Sumer Tow」はお口直しにはさわやかな作品でした。

2 comments:

Anonymous said...

CCさん、こんばんは!
残念ながら「Somers Town」も「This is Engrand」も東京(日本)では公開もされずDVDにもなってないかと思われます。どちらの作品も見て見たいですがねぇ。
ケン・ローチのように世界的に名が知れた監督作品とか、日本でも知られたUK俳優が出演しない限りこういったマイナーな作品は公開される事は皆無です。
配給会社もお客を呼べなきゃ話になりませんから...せめてDVDにはならないのか??

claudiacardinale said...

margot嬢、こんにちわ。やっぱりどの国も事情は似てよったりですね。マイナー系になるとどうもなかなか入ってきません。こう見るとUSは結構色々配給されていたような。けどなんとなく仏映画に関しては日本は強そうですよね。

機会があったら見てください。