28 January 2009

Milk

Milk by Gus Van Sant 2008 USA

1977年サンフランシスコ管理委員会に選出された、人権平等を訴えゲイを公表するハーヴェイ・ミルクのバイオグラフィー。ガス・バン・サントらしいタッチの作品だが、一番魅力的に作品を光らせていたのは、ハーヴェイ・ミルクを演じたショーン・ペンでした。「The Wrestler」のコラムでミッキー・ロークがアカデミー主演男優賞をとるんじゃないかと書きましたが、いえいえショーン・ペンもすばらしい。この2人のどちらかでしょうね。(とはいいつつ他3人はまだ見てないのですが・・・)それにしてもゲイという役柄を大げさにではないけどストレートに好感を持って演じてました。

70年代アメリカ、NYからハーヴェイ・ミルク(ショーン・ペン)とボーイフレンドのスコット(ジェームス・フランコ)と共にゲイの新天地サンフランシスコのカストロ地区へ移り住む。アンチゲイ風潮が全米に広がる中、ハーヴェイはゲイ・ライツを求めSF管理委員会の選挙に立候補、3度目にて全米で初めてゲイを公言する立候補者として当選する。しかしながら翌年、辞職撤回を阻止された事に恨みを持った保守派のSF管理委員ダン・ホワイト(ジョシュ・ブロリン)によって市長のジョージ・マスコーン(ビクター・ガーバー)とハーヴェイは射殺される。

脚本はDustin Lance Black、1979年生まれの若いライター。話は品よくまとめられていてこれから期待できる脚本家です。ガス・バン・サントとのタッグがよかったんでしょうね。2人の感性がぴったりと一致しているのが伝わってきます。ガス・バン・サントはどちらかというとアートハウスでカンヌ系ですが、「ミルク」は題材がバイオグラフィーなので、いい意味でより一般大衆向けになっています。保守派で堅物のホワイトを演じたジョシュ・ブロリンもショーン・ペンのハーヴェイとは正反対的で壊れていく人物をグロテスクに演じてます。そういえばブロリンも助演男優賞にノミネートされてます。ここも他誰も見てないのでなんともいえませんが、巷では圧倒的ヒース・レジャーが受賞と言われてますね。

この次は「フロスト/ニクソン」「ザ・キュリオス・ケース・オブ・ベンジャミン・ボタン」「ザ・リーダー」をこなす予定です。外国語映画賞では「おくりびと」がノミネートされていましたね。日本の映画いままで多くノミネートされてますが一度も受賞した事がないのでここらで快挙を果たしてもらいたいものです。

6 comments:

Anonymous said...

CCさん記録映画「ハーヴェイ・ミルク」は、87年ごろ見て感動しました。裁判の結果、怒ったゲイ大衆が暴動を起こし、車が燃えるシーンなどはゾクゾクと鳥肌が立ちました。Stフランシスコに行った時かれの写真店「カストロ・カメラ」にも足を運んだほど。また、ホワイトという人物が興味を引きますね。今再び作る意味は、きっと政治的にもあるのかもしれません。大統領が変わったこともあるし。期待はありますが、「チェ」がああいう結果に終ったので、少し慎重さを持って見守りたいと思います。うふふ・・・

claudiacardinale said...

ビアンカさん、こんばんは。記録映画があるんですね、是非みたいです。「うふふ・・・」とおっしゃるところからビアンカさんにはハーヴェイーに対する秘めたなにかがあるんだと思います。カストロ・カメラまで足を運ぶとは!!私がカストロに行った時は、ハーヴェイ・ミルクの事など知らずカストロカメラも全く気づきませんでした、ああゲイの街なんだなぁ〜セクシーな男性が多いなぁ〜と。次回カストロに行く機会があればカストロ・カメラ行ってみます。
それにしても50、60、70年代ってこう思想的にかっこいい人物が多いですよね。今はオバマ?期待しているんですけどね。

Anonymous said...

ccさん、再送信します、念の為に「The Times of Harvey Milk」1984年アカデミー最優秀長編記録映画賞受賞 アメリカ・フィルム・ライブラリー協会 ブルー・リボン賞受賞となっております。Robert Epstein作です。このパンフが、当時盛り上がっていた日本でのゲイリヴの雰囲気を伝えています。私も影響を受けました。ウフフは、チェでの失敗を思い出して笑っただけで他意は無いですよ。

claudiacardinale said...

ビアンカさん、情報ありがとうございました。早速レンタルに申し込みました!楽しみです。

「ウフフ」は、そうですかぁ、なにか意味深な笑いだと思ってました。ハーヴィーはゲイながらも、ビアンカさんの好みかと・・・。私も男/女というのを超えて、人間性にひかれます。

margot2005 said...

CCさん、こんばんは!
Biancaさんってゲイに詳しいのでミルクもご存知だったのですね。

さて、こちらの新聞の映画評で一般人(ゲイではない?...)が見ても違和感なく描かれているというコメントがありましたが、どうでしょう?
私的には偉大な人物ということでミルクの生き様に感動いたしました。ショーン・ペンやはり上手いですね。
それと、ジョッシュ・ブローリンは性格俳優で素晴らしい役者だと思います。彼の“ジョージ・ブッシュ”もいよいよ公開されます。ちょっと楽しみですね。

claudiacardinale said...

マルゴ嬢、こんばんは。「一般人(ゲイではない?...)が見ても違和感なく描かれている」っていうのもなんかおかしいコメントですね。実はこれ私義母が見たいというので一緒に行ったのですが、結構ゲイ要素のシーンもあるから大丈夫かしらと多少心配したのですが、全く大丈夫でした。なので一般人がみても違和感がないというコメント納得出来ます(笑)ジョッシュ・ブローリンは最近いい波に乗ってる役者ですよね、確かにいい役者です!