24 January 2010

The Hurt Locker

The Hurt Locker by Kathryn Bigelow 2009 USA

挿入画を見れば想像出来ますが、これはイラクでのEODチーム(Explosive Ordnance Disposal / 爆発物処理)が題材となっています。写実的にそしてストレートに描かれているので残酷な部分が多くたまに目を覆っていましたが、とてもクレバーに話が語られており、見た後に色々と考えさせられる作品です。2010年の賞レースで多くノミネートされています。私は未だ未見ですが「アバター」の監督ジェームス・キャメロンの元妻キャサリン・ビグローが この作品の監督です。

2004年イラク戦争後のイラクで作業するアメリカ陸軍Bravo中隊のEODチーム、イラク武装勢力グループとの攻防が続く。遠隔発火爆弾装置でリーダーを亡くしたEODチームのエルドリッジ(ブライアン・ジェラティ)とサンボーン(アンソニー・マッキー)は新しいリーダーのジェームス(ジェレミー・レナー)を向かい入れる。死を全くという程に恐れない無謀なやり方のジェームスに2人は反感を覚えるが日々繰り返される自爆テロそして武装勢力との攻防の中で信頼関係が生まれる。しかしながら夜中自爆テロ犯人を追う事を主張し、エルドリッジは負傷、ジェームスは自らの無謀な判断を悔やむ。また強制的に時限爆弾を全身に仕掛けられたイラク人男性を助けようとチームは全力を尽くすが時間切れでチームは撤退、イラク人男性は自爆してしまう。死と向き合わせの数々の悲惨な現場をこなすBravo中隊は任務を終え本国に戻る。ジェームスは生まれたばかりの息子との日々を過ごすが又イラクに任務の為に戻って行く。

冒頭でNYタイムズの戦争ジャーナリストのクリス・ヘッジの言葉「The rush of battle is a potent and often lethal addiction, for war is a drug / 戦争の殺到は多大な影響を及ぼし致死的な中毒となる。戦争とは麻薬の様な物だ」が引用されていますが、ジェームスはまさにそのものです。また冒頭でも述べましたが、この作品のクレバーな部分はイラクでの悲惨な経験が帰還してからジェームスが赤ん坊の息子に語るほんのわずかなフレーズの意味(何をいったのかはネタばれになるので言いません!)に集約されている、というとても強烈な効果を生み出していたのでした。脚本を担当したマーク・ボールはフリーランス・ジャーナリストで実際イラク戦争の時に爆発物処理団について長期取材を行なった経験があるそうです。なのでこれだけの脚本を書く事が出来たのでしょう。このジェームスを演じたジェレミー・レナーもサンボーンを演じたアンソニー・マッキーもなかなかの好演でした。この作品ベスト・ピクチャー、ベスト・ディレクター、ベスト・アクターで多くノミネートされるにちがいありません!戦争ものが苦手ではない方々是非お勧めです。

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