15 March 2010

The Cove

The Cove by Louie Psihoyos 2009 USA

なにかと日本で話題となっているアカデミー賞のドキュメンタリー部門受賞作「ザ・コーブ」、友人が日本からロンドンへの機中で見たと言っていたので(勿論日系の航空会社ではありません)、DVDレンタルで出てるだろうと思い早速借りて見ました。面白い、まるで007の様とか聞いていましたが、ドキュメンタリーとしてはやはりとても見応えがありとても面白い作りでした。007という意味も納得。

アメリカ60年代、チャーミングなイルカで大人気だったTV 番組「フリッパー」、このイルカのフリッパーをトレーニングし巨大ビジネスとなったイルカショーの礎となった人物リック・オーベリー。フリッパーの死を境に、イルカを捕獲し芸を教え込むという反動物保護的行動に疑問を抱き、イルカ解放運動の現在に至り全世界で活動を行なっている。和歌山県太地町、ここでは昔ながらのイルカ漁が行なわれ、この事実は殆ど報道されていない。このイルカを救う為、この行為を告発する為にオーベリーを先頭とする動物愛護家のグループは太地町に潜入、何が行なわれているかの撮影に挑む。

このドキュメンタリー、動物愛護関連のドキュメンタリーにありがちな独りよがりな内容ではなく、バランスをもったものです。またドキュメンタリーの中心の流れはこの元イルカ・トレーナーであったオーベリーの活動であり、この軸がしっかりと全体を通してフォーカスしてあり、複雑な内容になりがちな捕鯨などのサブ的要素も含みつつでもしっかりと仕上がってます。

私的にクジラ肉やイルカ肉は食べたいとも思わないし、絶滅の危機に瀕している種をわざわざ食べなくてもと私は捕鯨反対でもありますが、このトピックに関してはすんなりと納得出来ないのも事実です。クジラやイルカはほ乳類、知的な生き物とかこの手の題材の多くの論議は感情論が殆どで、じゃあ豚もそうとう賢い動物だけど一体なにが違うんだ??とも思ってしまいます。殺し方?まあ苦しみもがいて死んで行くのは見過ごせるものではないので、海中に電気ショックで一発で殺せる様な屠殺場をつくったら許されるのか?と非現実的な方向へとも走ってしまいます。まあこの太地町の漁師さん達の言い分も分かりますが、やはりこの残虐な殺し方をなんとかしてほしいです。またイルカの肉なんて市場では流通しないので殺す必要もないのではとも感じます。まあいずれにしても捕鯨国である日本、現在はマグロでまた一問題ありそうですが、水産資源を主食としている国だからこそ責任をもって資源を守るという姿勢を打ち出してもらいたいものです。

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