4 May 2010

The Ghost Writer

The Ghost Writer by Roman Polanski 2010 France, UK, Germany

ポランスキー監督の新作「ゴーストライター」を見た。ゴーストライターとは書籍などの代作をする著作家。この「ゴーストライター」は英国元首相のブレアーの話を元にしている。ゴーストライター(ユアン・マックレガー)は英国のラング首相(ピアース・ブロスナン)のバイオグラフィーのゴーストライターとして雇わアメリカに滞在中の首相の官邸に向かう。ラング首相の妻ルース(オリビア・ウィリアムズ)そして秘書のアメリア(キム・カーテラル)に指示を受けラング首相のバイオグラフィー草稿修正につくが、時を同じくラング首相はイラク捕虜扱いの人権問題でハーグに起訴されるという危機に陥る。

お話はとてもフィクション的で先がなんとなく読めてしまうのですが、ポランスキーは当然の事ながらミステリーを演出すると上手いです。舞台となる首相官邸は冬の海岸沿い(多分マーサズビンヤード?)に設定され、空はいつもどんより暗く雨がふり海はしけてとこれからゴーストライターが踏み入れて行くミステ リーに相乗効果を出しています。でも政治がからむミステリーという事であまりシリアスには描かず多少コミカルな部分を入れている処がいいですね。

ポランスキー監督は昨年スイスの映画祭に出席するためスイス滞在中に拘束されて以来そのままになっているのかしら?と思い調べてみたら今もスイス自宅で軟禁状態でした。マンソン一味に妻で妊娠中のシャロン・テートが虐殺され、自身も未成年との強姦で有罪となりながら国外逃亡し未だアメリカには戻れずとこの監督自身ドラマ的人生を送っています。素晴らしい才能を持つ人間の人生は一筋縄ではいかないのでしょう。

2 comments:

Bianca said...

CCさん、お久し振りです!
先日ポランスキーの「戦場のピアニスト」を観たんですが、子供の頃、これに近い苛酷な体験をしているのですね。「反撥」とか「ローズマリーの赤ちゃん」「吸血鬼ドラキュラ」なんかのなんともいえない不気味さ怖さは、ここに源があるのかも知れないと思います。(何と12歳の時ワイダの「世代」にも出演しています)彼の一生は、それから逃れられずにいまだに少女淫行だとか、若い妻を殺されるとか、人並みの落ち着いた生活とは無縁で終りそうですね。今度の作品もDVDになったら観たいと思います。

claudiacardinale said...

Biancaさん、こちらこそお久しぶりです。ポランスキーはワイダの作品にも出てるんですね、知りませんでした。こういう壮絶な体験をしているからこそ出来るでしょうね。「吸血鬼ドラキュラ」なんていう作品があるのも知りませんでした。これは早速レンタルですー。(いつもビアンカさんから情報頂いてますね)