1 February 2019

The Queen of Spades / スペードの女王

@ Royal Opera House
作曲 : Chaikovsky
指揮 : Antonio Pappano
演出 : Stefan Herheim

ロイヤル・オペラ新プロダクション、チャイコフスキーの「スペードの女王」。昨年の新プロダクション「カルメン」同様、通常とは違う演出で批評は極端に分かれていた。この舞台はチャイコフスキーの頭の中で起こる「スペードの女王」が表現されている。セットは文句なしに美しく、巨大な鏡が多く使われまるでチャイコフスキーの脳内を覗き込んでいるかの様だ。一方チャイコフスキー自身がこの舞台に現れ、とにかく舞台に出ずっぱりで、それに気を取られてオペラ自体を楽しむ余裕がなくなってしまった。要所要所でチャイコフスキーが出るのなら効果的なのだろうがあまりに話に介入しすぎて邪魔な存在となってしまった。
ゲルマン役のAleksandrs Antonenkoが風邪で降板、代わりにSergey Polyakovが急遽代役で歌ったのだが、1幕目は聞くのが辛いくらいだったが2幕目からは調子が出てきたのか随分とよくなった。代役って大変なんだろうなぁと同情してしまった。リーザ役のウエストブルックもあまりパッとせずと今一つな舞台となってしまった。唯一伯爵夫人を歌った74歳のFelicity Palmerには大きく拍手があった。それにしても最近はカルメンをはじめ奇抜な演出が目立つロイヤル・オペラである。

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