14 May 2007

Le Notti Bianche

白夜 by Luchino Visconti 1957 Italy/France

ビスコンティーが撮るドフトエフスキーの「白夜」、一体どんな作品になっているだろうと興味津々で見た。

ベニスに来たばかりのマリオ(マルチェロ・マストロヤンニ)はある晩橋の上で泣いている女性ナタリア(マリア・ショル)に出会う。ナタリアは1年前に別れた恋人との再開の約束の為毎晩橋の上で待っているのだった。ナタリアとの出会いから三日間マリオはナタリアを慰め外に連れ出し、恋に落ちる。そしてナタリアも現実を理解しマリオに心を傾けるが・・・

原作は読んだ事がないのですが、舞台がサントベルグからベニスに、そしてマルチェロと、あまりにも芋臭いマリア・ショルのキャスティングで、ドフトエフスキー独特の暗さを超越し、とてつもない各キャラクターの自己顕示欲の強さについつい笑いがこみ上げてきそうになるが、ここはやはりビスコンティー、このナルシスト加減をぎりぎりボーダーライン、青春という強さと美しさに描き変えていた。とはいいつつやはり笑いをこらえきれなかったのが正直な処です。この描写法が後の作品では彼の持ち味となっていくんでしょうね。

それにしても若き頃のマルチェロは、なんといってもいい。歳をとったマルチェロも断然いいけど、この人はとにかくチャーミングな役者です。初めてマルチェロを見たのは確かフェリーニの「8 1/2」だったような。だれこれは!ととんでもなく魅了されました。その後数限りなくマルチェロをみましたが一度も裏切られた事はありません!というか組んでいる監督がいいんでしょうね。

2 comments:

Anonymous said...

claudiacardinaleさん
ヴィスコンティも後年の堂々たる作品とは違って、この頃はまだ、試行錯誤していたんですね。同じ原作でも71年のロベール・ブレッソンの「白夜」はなかなか良かったですよ。

claudiacardinale said...

biancaさん、ビスコンティの初期の初期ネオリアリズモの辺りは力強くてよかったですよね、「揺れる大地」とか。ネオリアリズモからの脱皮期間なんでしょうか、この「白夜」は??
ブレッソンのは見てないのでこれも早速DVDのレンタルオーダーに入れてしまいました。楽しみです。