23 October 2013

Blue Jasmine

Blue Jasmine by Woody Allen 2013 USA

この「ブルー・ジャスミン」、最近のウッディー・アレンの作品で一番の秀作ではないだろうか。脚本、演出、俳優人の演技と総合的にとてもいい。

何不自由なく贅沢に暮らしNY社交界で活躍していた大富豪の妻ジャスミン(ケイト・ブランチェット)、夫(アレク・バルドウィン)のポンジ・スキームで成したビジネスが摘発されジャスミンは奈落の底に、サンフランシスコでスーパーで働くシングルマザーの腹違いの妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)の家に身を寄せる処から話しが始まる。実はとても重く暗い主題なのだがこれを軽くコミカルに描きながらもジャスミンへは一体どうなるのだろうという興味は見ている途中全く薄れないが結末は同情的ではない。社会の中で存在する典型的な話し、先が読める話しでもウディー・アレンが書くと違うフィルターから語られる話しとして設立する辺りは彼の才能、一度彼の脳内を見てみたいものである。

ジャスミンを演じたケイト・ブランチェットは拍手もの、来年の賞レースを総なめするのも確実だろう。NYアッパーイーストにいる典型的な奥様から、ボディーブロウを受け精神炸裂しながらも生きて行こうとする女性の姿を演じている。一見すると同情も得られない冷視されがちなキャラクターのジャスミンだが、その枠を越えて戦う一人の女性と見れるのはケイト・ブランチェットの演技とウディー・アレンの脚本の力だろう。


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