31 May 2014

Jimmy's Hall

by Ken Loach 2014 UK

ケン・ローチ監督の最新作「Jimmy's Hall」、1930年代アイルランドで共産主義活動家ジミー・グラルトン(Barry Ward)がNYから故郷に10年ぶりに戻り再度保守体制へ挑戦した実話に基づいている。

話しはアイルランドの田舎町が舞台。労働者階級の人々や若者達の自由精神と教育を目指したホールを村に開くが、社会主義を恐れる保守派の聖職者、金持ち層そして当局を敵に回す事となる。

ジミー・グラルトン率いる村人集団が土地の立ち入りに関して保守派と対立するシーンがあるのだが、ここで両者すかさず拳銃を振りかざしていた。このシーンを見た時、アイルランド人の気質そしてその背景にある複雑な社会状況また北アイルランド紛争が起こった理由を垣間みた気がした。この作品はジミー・グラルトンのバイオグラフィーの様なものだが、ジミー・グラルトンンが保守派の村の司祭に理解を得ようと何度も対話を試みていた姿を見ると、このアイルランドの村で起こっている事は現在において世界各地の紛争に共通したもの、宗教的、経済的、社会的なイデオロギーの違いという根源がよく見えてくる。

とはいえケンローチの今までの作品と比較すると今ひとつ訴える力に多少なりと欠けている感があった。

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