Directed by Naji Abu Nowar, 2015 UEA, Qatar, Jordan, UK
ナジ・アブヌワール監督デビュー作、ベネチア映画祭オリゾンティ部門監督賞受賞作品。第一次世界大戦最中アラビア半島のオスマン帝国ヒジャーブ地方、英将校の極秘任務に砂漠の道案内を頼まれた兄と同胞の旅についていくベドウィン族の少年ディーブ。無法地帯、盗賊、ゲリラ、植民地統治そして砂漠という過酷な状況の中で生き延びるディーブの話しである。
砂漠というこの壮大なロケーションが美しく一見なにもないように見えるこの砂漠の中でうごめく生死繰り広げられる人間の争いがいかにも弱肉強食に生きる昆虫かのようにも見える。そのスケールの大きさの中で成長していくディーブの姿が対象的に写し出されている。
ベドウィン族はではないがモロッコのトゥアレグ、サハラ砂漠西部の遊牧民と以前モロッコやサハラ砂漠を旅している時に出会った。フランス語を話した若者トゥアレグ達はみな大学などに通い休みになると青いターバンをまいて観光客目当てでバイトをしていると言っていた。裕福な家出身だという事が分かる。一方多くのトゥアレグは雇われ兵としてチュニジアにいたがカダフィ政権崩壊の後トゥアレグ抵抗運動からテロ化しマリやニジェールなどで紛争を引き起こしている。話しはそれてしまったが、現在遊牧民として暮らしているベドウィンは一体どのくらい残っているのだろうか?
砂漠という全く異なった環境にとても魅了されている事もあり、見てよかったと思える作品であった。
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