by Lars von Trier 2018 Denmark
ラース・フォン・トリアーの新作「ザ・ハウス・ザット・ジャック・ビルト」、70〜80年代アメリカのシリアルキラー、ジャックの話である。2011年カンヌ映画祭で自身をナチスに例えたジョークで大きく批判されたラース・フォン・トリアー、この作品は以来初めてのカンヌでのカムバック作品であるが、上映では多くの観客があまりの過激さに劇場から立ち去ったと言われている。まあラース・フォン・トリアーなので過激だとは承知していたが、あまりにも酷いシーンに何度となく目を覆ってしまった。マット・ディロン演ずるジャックが次々と殺していく殺人を箇条的に描いている。ジャックというシリアルキラーの人間像の描き方は惚れ惚れする程に上手くできている。又話のプロットも上手い。が上記にも書いたように惨たらしいショッキングなシーンが多いが、その中にダークヒューモアも感じられると、摩訶不思議な作品である。狂気のシリアルキラージャックをマット・ディロンが演じたことによりこの相反するギャップ感がいい具合となっている。例えば ハンニバル・レクターのアンソニー・ホプキンスなんかがこの役を演じてしまうと狂気だけで終わってしまう。マット・ディロンはどことなくヒッチコックの「サイコ」のアンソニー・パーキンス的要素が感じられる。とにかく、とんでもなく凄い映画をラース・フォン・トリアー作ったものだ。
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