3 September 2005

The Constant Gardener

NYにて
The Constant Gardener by Fernando Meirelles 2005 UK/France

John le Carre原作。英国外交官のJustin(Ralph Fiennes)は妻(Rachel Weisz) が殺害された原因を追求する過程、ケニアで行われている製薬会社の陰謀を突き止める。Meirellesの前作City of Godとはトーンが違うが問題定義の姿勢は変わっていない。前半リアリティーを強調した手法で描いていたが、後半はスケールのでかい空撮など行き過ぎた演 出でエンターテイメント性がかなり強調されてしまった。まあポピュラー・エンターテイメントとしてはいい線をいっているのではないか。哀れみ深く純粋なが ら強い行動力を持つJustinの妻役Rachel Weiszが好演。それにしてもRalph Fiennesは広大な大地をバックグラウンドにする映画によく出演している。題名のConstant Gardener、誠実な庭師?!なんでこの内容にこの題名?と始めは想像しにくいが、外交官ににつかわぬ庭いじりが好きなJustinの人柄なのであ る。

余談だが、番宣でロッキー山中で牛を扱うカウボーイの映画「Brokeback Mountain」をやっていた。実はこのカウボーイ、過去に男性との経験があるというアンタッチャブルな意外性がある。それだけでびっくりしていたら、 なんと監督クレジットにはAng Lee の名前!イギリス時代もの「Sense and Sensibility」や、アメリカ・ロングアイランドのミドルクラスのファミリーの「The Ice Storm」や、カンフーの「Cruching Tiger and Hidden Dragon」をしたりと、まあ見事にいろんなジャンルに挑戦してくれる台湾人監督である。

1 comment:

claudiacardinale said...

Commented by Bianca at 2006-05-30 11:47 x
日本ではこの「ナイロビの蜂」はまず恋愛映画として入ってきました。わたしも、おとといの毎日新聞で青木保氏の解説を読むまでは、この映画のもつ社会的側面など全体が捕らえられませんでした。
だまされたという声もブログで散見します。でも、愛の物語としても秀逸に思えます。強く賢い行動的な女性に対して、それを受け止め、熱愛する男性がいるのは素晴らしい。日本の男性はその点、期待薄のような気が。

Commented by claudiacardinare at 2006-05-30 18:46
biancaさん、レイチェル・ワイズがこの女性を素晴らしく表現していましたが、ラルフ・フィネスはちょっと弱々しかったから恋愛映画としての側面が薄くなってしまったような気がします。だから映画自体見終わった後の印象はどうしても社会的な側面に記憶が残るのかな。

Commented by Bianca at 2006-06-01 08:56 x
外柔内剛ということでは?
二人のなれ初めが、講演会で彼に対して女主人公が攻撃的な質問をしているのに(日本人男性ならまず自己防御に走るような場面:私自身もよく、経験しました)そこに魅力を感じるそして恋に落ちる、その精神構造が強靭だと感じます。本当に強くなければ、ああはならないでしょう。
日本女性がいつまでも幼児的にふるまうのは、男性を脅かさないためで、男性さえもっとしっかりすれば、本来の姿をさらせるのじゃないかと思います。舌足らずかも知れませんが。

Commented by claudiacardinare at 2006-06-01 18:48
biancaさん、論理的にはおっしゃる通りだと思います。多分私の言葉が足りなかったのかな?ラルフ・フィネスの演技について弱々しいなと感じてました。多分彼が違う表現をしていたら外柔内剛と感じられたかもしれません。それにしてもその様な男性が実際にいたら是非会いたいデス!

Commented by Bianca at 2006-06-02 11:41 x
たしかに、この愛は理想化されすぎており、また男性の方が受身ですね。何しろ庭いじりが唯一の情熱という人なんですもの。でも、そのままの彼を、彼女は愛していたのですね。(ヴィデオのせりふ)また逆もしかり。妻の死後に、夫が真実を発見すると言う、英国の小説ではCatharin Mansfield の短編があったと思います。その妻も進歩派で、これは別の男を愛してしまい、自殺していたのです。こちらは、女性の死は社会活動そのものが原因でした。夫は、彼の妻への愛や性格や能力からして、あれ以外に手段がなかったのでしょう。これも非現実的ですが。
そして、同じようにその女性を愛していた、ラテン系の従兄が、最終的には遺志を継いだ。こう見るとたしかに愛(と自己犠牲)は大きな役割をはたしているが、社会的側面も同じくらい重要な映画です。でも、日本での宣伝には、こんな時は7vs3くらいで「愛」を強調するのです。この意識の低さは恥ずかしいことです(自分も含めて)。

Commented by Bianca at 2006-06-02 12:17 x
正しいつづりは Katherine Mansfield (1888-1923)でした。 ごめんなさい。