Oliver Twist

ロンドンにて
Oliver Twist by Roman Polansky 2005 UK

１９ 世紀産業最盛期に突入して行くロンドンの人情溢れる裏街道物語。文豪ディケンズのこの作品は今まで多く映画化されてきた。ポランスキーの演出なのでダーク な部分が強調されているだろうと思ってみたが、オリバー・ツイストの視点からと思わせる素直な子供から見た裏世界が現れていて、ディケンズの小説に近いも のとなっていた。セット、コスチューム、メーキャップ、ロンドン市街のCDなどの視覚描写も小説の世界を膨らますものとなった。舞台となっているロンドン でこの映画を見たからだろうか？より親近感を持って見る事が出来た。

当時ロンドンはむちゃくちゃの衛生施設で又工場の石炭の臭いと混じりすざましい悪臭が市街に漂っていたという環境だったとは聞いていたが、この映画をみて 強く実感。小説も映画もそうだが、知らない世界のものは想像力を働かせて自分なりの世界観の枠で理解してしまうが、ある程度知識のある世界のものだとまた 違った範囲で理解出来る。そういう意味でNYでこの映画を見るのと地元でこの映画を見るのでは多少なりと違ったかもしれない。Fagin役のBen Kingslayがこの映画でいいエッセンスとなっている。Oliver Twist役のBarney Clarkの眼はなんともいえずイノセントである。