2 January 2006

Immortality

Immortality by Milan Kundera

ミランクンデラの魅力はなんといってもその文体と心理分析の比喩だろう。「不滅」ではそれぞれ違う時代に生きる女性心理について書かれている。一見すれば オムニバス映画的というのだろうか、手法は時空間を交差しているが、彼の小説を映像化するのは至難の業だろう。「存在の耐えられない軽さ」は映画化されて いるが、やはり無理があった。映画ではこの「軽さ」がただの「軽さ」になってしまっていた。気に入っている著書が自分の期待通りに映像化されていないとや はり不満が残るものである。10代の頃のお気に入りの書、ケッセルの「昼顔」はルイス・ブニュエルによってカトリーヌ・ドヌーブ主演で映画化されている が、これも納得出来なかった。ブニュエルは好きな監督だったから、輪をかけて不満が残ったのを覚えている。クンデラに戻るが、彼は戦後ヨーロッパを代表す る素晴らしい作家の一人である。

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