22 March 2006

Tsotsi

Tsotsi by Gavin Hood 2005 UK/South Africa

今年度アカデミー外国映画賞受賞作品。「City of God」に似ているかと思ってみたらより濃い内容だった。南アのシャンティータウンで子供の頃から育ったTsotsiはギャングのリーダーとして成長す る。血の気の濃いTosotsiは殺人もいとも構わないがある日強盗で奪った車の後部座席に生まれたての赤ん坊を発見する。自分の生い立ちをこの赤ん坊に 重ね今までのギャング生活に狂いが生じ始める。これを見終わった後、やはり映画は1)暴力やグロテスクさなどが描写されていても昇華されていなくてはいけ ない、2)その中においてテーマを追求する、これが完成されていい映画といえるのではないかとつくづく感じた。映画Tsotsiに戻るが、貧富の格差が激 しい南ア社会、混沌と犯罪が横行するするシャンティータウン、その中でも人々は生きており、又奪った赤ん坊に乳を与える女性が一輪の花のように見えた。 Tsotsiの存在は一種この南ア社会の縮図のように感じられる。それにしても暴力的描写が多いながらも生命力と希望を強く感じされる映画だった。音楽も アフリカン・ラップでなかなかよしであった。

1 comment:

claudiacardinale said...

Commented by J.T. at 2006-03-23 00:44 x
Tsotsi は、こういう映画だったのですか・・・なるほど。

”1)暴力やグロテスクさなどが描写されていても昇華されていなくてはいけない、2)その中においてテーマを追求する”

うん、わかります。
暴力や嫌悪感を感じるシーンばかりが目だって、それだけの映画を見かけると、とても寂しい感じになります。やはり映画は、心の奥底にある潜在意識を揺さぶってくれるような なにか がほしいですよね。
お言葉納得です。はい。

Commented by claudiacardinare at 2006-03-24 18:41
J.T さん、納得ありがとうございます。
Tsotsiはそういう意味でいい映画でした。けどこの映画を見た後、南アは怖い所だと先入観を植え付けられてしまいました。行った事もない国なので特にそう感じるのだろうと思いますが。とにかく観光宣伝には逆効果の映画です。(言っている事が支離滅裂ですね)

Commented by Rick Noguchi at 2006-04-03 10:36 x
昨日、鑑賞してきました。この映画が上映されていたのは
サンフランシスコ郊外の日本で言う、名画劇場でした。
観客は中年以上で、土曜日の午後と言うのにガラーン
としていました。小さな劇場でガラーンとしているのですから推して知るべしと感じました。
アメリカはまだ黒人の主題とした外国映画にはまだ眼が
向かないと感じました。
残念ながら終って出て来る観客を見ていたら、黒人を
一人も見ませんでした。しかし、私はアパルト・ヘイトが
施行されていた南アフリカを40年近く前に訪れた事が
あり、黒人居住区をレンターカーで側を走ったことが有り
ます、夜はガラートした市内の夜の光景を思い出します。海岸で泳ぎに友人達と出掛けて行ったら泳ぐ場所も白黒

が別でした。白人専用で日本人は泳げました。しかし
町中のケープタウンの公園で、白人ヨーロッパ人専用と
書いたベンチを見つけて、『ツバ』を吐きかけて来ました。
アメリカに現在永住で住んで居ると、チョイ!何か感じる
映画です。

Commented by claudiacardinare at 2006-04-06 10:34
Rickさん、40年前のケープタウンはすごそうですね。けどアメリカも公民権運動の前は同じような状態だったと思うと荒ましいですね。自分の黒人の友達の2代前は奴隷だったと思うと恐ろしい。