30 April 2006

United 93

United 93 by Paul Greengrass 2006 USA

911 にペンシルバニアに墜落したユナイテッド93便の話である。公開前からはやすぎるのではと物議を醸し出していた作品だったが、見た感想やっぱりはやいので はと思ってしまった。監督は1972年IRAと英国軍の衝突を描いた「Bloody Sunday」のPaul Greengrass。「Bloody Sunday」はThe Battle of Argeriersを 参考にして撮ったそうだが、このユナイテッド93もドキュメンタリータッチでどの登場人物にも深入りしないでたんたんと事を見せていた。やはり内容が内容 だけにそういう手法しか用いる事が出来ないのであろう。個人的に、当時NYからサンフランシスコやLA行きの早朝便に頻繁に搭乗していたので、93便の朝 の機内の感じがとても身近かに感じられ、だれでもこの機に居合わせる可能があったんだと思うと多少ぐぐっとくるものがあった。またやはり当時を思い出して しまい生々しく感じた。騒然とした街中、異様な臭い、きーんと鳴り響く音、そしてまだ何機も上空にいるから攻撃されるかもしれないという恐怖感。この映画 を見終わった後、複雑な気持ちで果たしていいのだか悪いのだか、映画として見ていいものなのか、どうもしっくりこない状態であった。オリバー・ストーンも 現在911に関しての作品を製作中だそうだが、いつ見てもこの911をドラマとして客観視は出来ないのだろうと思う。

1 comment:

claudiacardinale said...

Commented by paris-cordon at 2006-04-30 20:26
鳥肌が立ちました。。。。
当時 claudiacardinareさんも 被害者になっていたかもしれないなんて・・・・
なんと言ったらいいか。。
でも この911を「遠いどこかの国」 くらいにしか思ってなかった私としては、この映画を見てもっと911事件を理解したいという気になりました。
もちろん どんなに新聞や こういう映画を見たとしても その場に居合わせた方々の気持ちを 本当に理解できるわけないのですが・・。
今回の記事  ずしりときました。

Commented by claudiacardinare at 2006-05-01 23:48
paris-cordonさん、パリで暴動が起こった時は私も他人視していましたし、学生デモの時は気骨があって凄いとこれまた他人事ごとく感じてましたし、やっぱり実際関わってこないと他人事になってしまうのは当然ですよね。けどここでずしりと感じていただけたなんて、その意味を考えていただけるきっかけになれて嬉しいです。ありがとうございます。

Commented by halfmoon81 at 2006-05-03 23:03
この映画、見てみたいです。
911の日は、サンフランシスコに住んでいて 夫(金融関係)のNYオフィスから電話が入って飛び起きてテレビをつけました。そうしたら、この93便がゴールデンゲートブリッジに向かっている(突っ込んでくる!)という噂が立って、街は戒厳令が敷かれ、マンションの窓から恐々外を眺めていました。今思い出してもゾッとします。 
claudiaさんは、あの日NYにいらしたんですね。。。 
去年、ロンドンの地下鉄テロがありましたが この日の恐怖に比べたら、、、(なんて言っては亡くなった方に申し訳ないですが。)

Commented by claudiacardinare at 2006-05-05 05:40
halfmoon81さん、SFではそうだったのですか。あの日全米は騒然としてましたよね。ロンドン地下鉄テロの時は丁度NYで2日後に渡英でした。こういうのには2度も遭遇したくないですよね。本当に無差別テロはなくなってほしいです。

Commented by paris-cordon at 2006-05-06 20:32
5月17日に「ダビンチコード」が公開になります。
せっかく モナリザのすぐ見に行ける環境にいるので、明日 ちょっとモナリザを見てきます。
モナリザの絵のここに注目! とか もちろん 映画のこのシーンに注目!とか
急にすいません。 笑。
でも ほかの映画情報はclaudiaさんのような 迫ってくるような 見たい!! という気になるものがないのです。

Commented by J.T. at 2006-05-08 00:38 x
こんにちはー、
こういった作品は、わたしもまだまだ早いのではないかと思います。 claudiacardinareさんのように、自分の身に起こっていたかもしれない人が沢山いるはずですし、あのときの恐怖がトラウマになってる人も沢山いるはずです。ドキュメンタリータッチで淡々と描いているようですが、それならどんな意味があるのでしょうか?と真意を疑いたくなりますよね。製作側の意図がわかれば多少は見方も変わるのかも知れないですが、歴史になるまでとは言わないまでも、もう少し時間が必要なテーマだと思います。

Commented by claudiacardinare at 2006-05-09 16:54
paris-cordonさん、モナリザ観に行かれましたか?私も相当昔ルーブルで人ごみの隙間から見た覚えが有ります。なので殆どちゃんと見たのかどうか覚えていない・・・モナリザは男だとかダビンチ当人だとか色々言われてますよね。「ダビンチコード」原作ではマグダレンマリアがイエスの愛人だったという男性社会への挑戦的部分が一番面白かったと覚えています。映画ではどうなんでしょう?ロン・ハワードが監督なのでまあそこそこの出来とは思います。興味はあるので私も観に行く予定です。スコルセッシ監督の「The Last Temptation of Christ」ご覧になられましたか?

Commented by claudiacardinare at 2006-05-09 16:58
J.Tさん、そうですよね、制作側の意図ですね。悲しいかな、この世の中センセーショナリズム、なんでも商業目的にされてしまうので、この911も映画化されるのは時間の問題でした。そういう現実をふまえてやはり製作側の意図、メッセージが重要ですよね。けど一つこの映画から見えたのは、テロ犯も被害者も同じ人間だったという事でしょうか。

Commented by paris-cordon at 2006-05-10 08:07
いえ 見たことないです。
面白いんですか?!
フランスでもやってるんでしょうか?!

Commented by claudiacardinare at 2006-05-11 21:09
paris-cordonさん、確か80年代に製作されたと思います。「ダビンチコード」と同じくキリストを人間として描いたので当時宗教団体がこの映画をボイコットし論争を巻き起こしてました。DVDで見れますよ。

Commented by paris-cordon at 2006-05-11 22:09
ありがとうございます!!
DVDのほうが 今の私には嬉しいです!!
字幕とフランス語吹き替え どちらでも見れますもん。
レンタル屋さんに行ってみよーーっっと。