6 November 2006

Babel

Babel by Alejandro Gonzales Inarritu 2006 US

今年一番期待していた作品をやっと観賞する事が出来た。「バベル」全地が一つの言語であった頃バビロニアの人々が建築技術を誇る為に天に届く塔を建設しよう とし神の怒りに触れ人々の言語は混乱し互いに理解出来ないようになり塔の建設が終わったと旧約聖書、創世記第11章にある。タイトルの通りこの作品の内容 はバベルでありまた無意識の中の関連性である。

モロッコ、サンディエゴ、メキシコそして東京で物語は同時進行する。第1話:モロッコを旅する夫婦(ケイト・ブランチェット/ブラッド・ピッド)、お互い の関係を修復しようとこの旅にでかけたが砂漠を移動中のバスの中で妻は偶然にも狙撃され重傷を負う。そしてモロッコの僻地にある村へと運ばれる。第 2話:モロッコの荒れ地にすむ家族、2人の兄弟は羊の放牧を担当している。ジャッカルが羊を食い荒らすため父親はライフルを近所から購入する。第3話:サ ンディエゴにすむメキシコ人のベビーシッターは大家の2人の子供を生まれて以来長年世話をしている。ベビーシッターは息子の結婚式のためメキシコに1日戻 る予定だったが都合が付かず帰って来れなくなった実親に頼まれ子供達の面倒を見る事になる。そしてベビーシッターは子供達をメキシコに同伴する事を決め、 おい(ガエル・ガルシア・ベルナル)の車の迎えでメキシコへと向かう。第4話:聾唖の千恵子(菊池凛子)は炸裂するティーンの時期を迎え父親(役所広司)と衝突しがちである。ある日千恵子の前に刑事が現れる。刑事は彼女の父親と会って話がしたいと告げる。この4つの物語が錯綜し結末へと続く。

「アモーレス・ペレス」や「21グラム」を見ていたので、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督はとことん暗い部分を追求し、又残虐な部分もあるだ ろうと予想はしていたがやはり容赦なく登場人物達を陥れその姿をえぐり出していた。しかしながらその後に見えてくるのは個々の人間性であった。「オイディ プス」をなんとなく思い出され一種ギリシャ神話に近いものを感じたが、違う点は最後に現実の中での光を添えている事だった。とにかくパワフルである。終 わった直後よりも少し後で色々考えたくなる作品でした。(という事でまだ考えがまとまってません)

今年度カンヌ映画祭で監督賞を受賞。

3 comments:

claudiacardinale said...

Commented by miki3998 at 2006-11-06 14:11 x
久しぶりにワクワクしてくる映画ですね。早く観たいです。21グラム、衝撃的な内容で、一度で分からず2度見ました。こちらも重い映画のようですが、ケイト・ブランシェットのファンなので、是非みたいです。

Commented by Bianca at 2006-11-06 15:34 x
・・・日本公開は来年3月のようですね。日本人が登場するところが今風ですが、そのうちに、勢いのある中国人に取って代わられるかも知れません。

Commented by claudiacardinare at 2006-11-07 10:39 x
mikiさん、ホント早くみたいと思わせる映画はいいですよね。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥはそう思わせる監督の一人です。ところで「21グラム」を2回見られたとの事。大丈夫でしたか?私「21グラム」を2回もみたら落ち込んで1ヶ月位暗くなって落ち込んでそうです。(笑)

Commented by claudiacardinare at 2006-11-07 10:43 x
biancaさん、来年3月とはまだちょっと先ですね。菊池凛子のキャラクターがとてもよく出来ていました。この少女がこの作品全体の相承のような感じでした。東京という街がとてもいい味付けになってました。

Commented by miki3998 at 2006-11-07 16:29 x
アハハ、確かに。落ち込むと言うより、暗さに酔ってしまいました。普段ノーテンキな生活をしているので、久しぶりに悪酔いしました。でも、ショーン・ペンが好きなのです。(笑)

Commented by claudiacardinare at 2006-11-08 12:03 x
mikiさん、確かに暗さに陶酔もありえます(笑)精神が健康という事ですよね。

Commented by Bianca at 2006-11-11 12:08 x
拝啓CC様、迷惑メールでお困りでは?それでしたら、このページのTOPの「トップ」をCLICKして、TOPICSをご覧下さい。かしこ

Commented by claudiacardinare at 2006-11-12 23:36 x
Biancaさん、情報どうもありがとうございました。早速設定しました。ホントこういう事をするのが好きな暇人がいるんですよねー。助かりました。

Commented by Bianca at 2006-11-13 18:07 x
あれっ、またもや出現!どうしてでしょうね。

Commented by yochy.1962 at 2006-11-14 20:22 x
こんにちは。自宅パソコンが壊れ、そして会社でのブログ禁止令が強化されたため、こうして、隠れ切支丹のようにコメントしています。
それにしても迷惑メール、大変ですね。いっそのことトラックバックは禁止にしたほうがいいかもね。

Commented by claudiacardinare at 2006-11-14 23:38 x
Biancaさん、そうなんです。あきらめモードです・・・

Commented by claudiacardinare at 2006-11-14 23:40 x
yochyさん、携帯から書いているってブログにあったので大変だなーと思っていた処でした。そんな時にわざわざこちらに来ていただいてありがとうございます!!ホント迷惑メールこまっちゃってマス。

Anonymous said...

CCさん、こんばんは!
やっとこ東京でも公開され、待ちに待って初日に観て来ましたわ。いやスゴイ映画でした。
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の手腕(才能)でしょうねこの映画は...
「アモーレ・ペレス」は未見なのでDVD探してこようと思います。

狙撃したモロッの羊飼い少年たちの演技も素晴らしいものがあったと思います。特に下の子...

<という事でまだ考えがまとまってません
とのことですが...
CCさん考えまとまりましたでしょうか??

claudiacardinale said...

margot嬢どの、「アモーレス・ペレス」は結構残虐なシーンが多くて観ている途中結構目を塞いでました。

「バベル」ですねぇ、なんか今考えると全ての役者の目が一番印象に残っているような。コミュニケーションは言葉だけではないんですね。(ととってつけたような感じになってしまいました)それと「運命の力」でしょうか。人間運命に押し流されてもまだ生きているというなんというか生命の強さが感じられた気がします。

そういえば丁度今ツヴァイクの「マリー・アントワネット」を読んでいるのですが、彼女は平凡な人格であったゆえ巨大な運命に押し流され悲劇な人生を送ったという視点で書かれています。(現在まだ半分まで達してないのですが)

こう書いていると、運命と人格も「バベル」のコアな部分ですね。