14 April 2006

Drawing Restraint 9

Drawing Restraint 9 by Matthew Barney 2005 US/Japan

非常に後味の悪いフィルムであった。監督のマシュー・バーニーはビヨークの旦那。長崎から出港する捕鯨船にこの2人が招待される。(というと尋常では語れな い映画とおわかりになるでしょう)前半船内でビヨークとマシュー・バーニーの手の凝った神道の結婚の儀が行われ、後半に続くにつれて捕鯨で殺されるクジラ の怨霊が現れ話が破壊的になっていく。ダイオローグほとんどなしの映像のみで見せるこのアートムービー、この類いにしては非常に上手く出来ていた。さすが アートディレクションは素晴らしい。まあどうもアート系の人間が日本を題材にして撮ると「MISHIMA」もそうだったが神道のイメージが全面に押し出さ れる。それにしても後半は強烈で日本人としてとても複雑に感じられた。マシュー・バーニーとビヨークがクジラの化身となりお互いに切り裂き合い、傷からは クジラの脂肪が流れ出す。(見てない方、すみません、ネタばらしました)とにかく、神道の精神論がこの捕鯨問題に連呼してアート的風刺として描かれている ように感じ自分の中ではどうもしっくりこなかった。なんというか、これだけの才能の人間がこのような狭量な表現をするのかと思うと残念であった。

続き4月25日:マシュー・バーニーの展覧会でこの映画を見た知人によると、これは進化論起源論についてであり、最後はビヨークと彼自身がクジラに化身し ていくと一緒に行った東大表象論の教授から説明を受けたそうだ。私が感じた事とはまったく反対の意図だったらしい???????

1 comment:

claudiacardinale said...

Commented by yochy at 2006-04-17 11:12 x
私、結構興味あります。外国人による、日本を描いた映画(笑えるから、です)。
でも神道の精神って、いまどきの日本人でも分からなかったりするから、外国の人に理解しろってのも無理かもしれませんね。

ところで、ネスケでコメントしようとしてもできないんだけど、どうしてだろ?

Commented by claudiacardinare at 2006-04-18 07:23
yochyさん、マシュー・バーニーの展覧会確か神奈川のどこかの美術館でやっていた筈。この映画も上映されていました。(今もしているのかは定かではありませんが)確かに日本人より外国人の方が神道精神をふかーく理解している場合も多いですよね。
ですみません、ネスケとはなんでしょう?なんかの略とは理解出来るのですが・・・

Commented by yochy at 2006-04-18 16:56 x
すみません。「寝たスケベ」の略です(笑)。
ってのはウソで、「Netscape」という、インターネットをするためのソフト(っていうのかな)です。
このごろ私、「Internet Explorer」を使わずにネスケを使っているのです。Macの「Internet Explorer」はサポートが終わったということで、いろいろと不都合が生じてきてしまったのですね。
でも、ネスケでコメントできないのはクラウディアさんのところだけ……。どうしてなんだろ。ああ、これは「Internet Explorer」で書いています。
まあ、なにかとMacは迫害を受けるのです。くすん。

Commented by claudiacardinare at 2006-04-19 11:25
yochyさん、あら、わたしもMac族です。ちなみに私はfirefoxを使ってます。う〜ん、なぜ「寝スケ」で書けないのでしょう??