6 December 2007

Unknown Rachmaninoff

Denis Matsuev (Piano) w/ Russian National Orchestra @ Queen Elizabeth Hall


第11回チャイコフスキー・コンクール優勝のデニス・マツトーエフのラフマニノフ演奏に行った。ロシア出身のこのピアニスト、身長が190センチ近くの巨体で、流石演奏も迫力そのものだった。

まずはロシア・ナショナル・オーケストラと共にラフマニノフのピアノコンチェルト#1 in F-Sharp, Op. 1。指揮はDmitry Liss。ピアノを叩き付け壊れるくらいの力強さと思えば、繊細な柔らかい音も奏でると、まるで彼の前にあるピアノが小さなピアノのおもちゃのように見えてきます。やっぱりラフマニノフはこの位のスケールで弾いてもらわないと良さが実感出来ません。

次はワールド・プリミアーのSuite in D Minor arr. for piano (1891)。勿論初めて聞く曲でした。1891年作曲という事は初期の作品。ワルツっぽくけど彼特有のロシアのツンドラの激冬を想像させるような音色も節々に入り、けどどちらかというと私の知っているラフマニノフの中では一番軽い感じの曲だったような気がします。

最後はピアノソナタ No2 in B Flat minor, Op.36。じっくり聞かせて頂きましたが、いやいや初めのピアノコンチェルト以上にたくましい演奏で、ピアノと取っ組み合いをしているような(かなり抽象的ですねぇ)音だけでなく、椅子から飛び上がったりと演奏自体を見てても迫力満点でした。

アンコールに4回も答えてくれるなどサービス精神はたっぷり。ロシアのピアニストは技術だけと言われてますが、いやはやマツトーエフは技術もさながら繊細さそしてダイナミックさも持ち合わせていて、また観客を演奏に引き込むタイミングなども熟知しているんでしょうね、人前で演奏するのが本当に好きと感じさせられるエンターテイメント性を持ち合わせたピアニストでした。

ラフマニノフは大好きな作曲家。そういえばつい最近、いつも鋭い意見で刺激があり又楽しくブログ付き合いをさせてもらっているBiancaさんとこれまた哲学と音楽の話をナルホド!と語ってくださる音楽、ときどき哲学さんラフマニノフの使われている映画を話していた処。浮気をしたい男性の登場するシーンにピッタリの曲だとか(笑)。

話は飛びますが、来週から年末までNYです。以前の私のアパート、ラフマニノフとご近所さんだったのです、ラフマニノフもアッパー・ウエストサイドに住んでいました。勿論年代は全く違いますが。ちなみにその近所にはエドガー・アラン・ポーの家もあります。そういえばNYで今丁度ケイト・ブランチェットがボブ・デュランを演じている「I'm not There」が公開されているのでそのまま直行です!

7 comments:

Anonymous said...

クラッシック音楽には疎い私ですが… ライブの迫力にかなわないと分かりつつ、日本でも発売されたDenis Matsuevの「Rachmaninoff」のアルバムを聴いてみました。雨の雫が落ちるような音から岩場に打ち付ける波のような音まで(表現のセンスの無さは…許してくださーい (^。^;; )確かにもんどりうって演奏していそうな雰囲気(笑)。
でもまじめな話アルバムが短く感じるほどグッと惹きつけられました。ラフマニノフが使用していた1929年製スタインウェイでの演奏だそうで、録音は、2007年5月ラフマニノフのルツェルン別荘でのもの…とはいえ迫力あります。でも、CCさんの言うようにエンタテイメント性も持ち合わせてるMatsuev、これを生で聴いたら凄かったでしょうね!

アルバムは、ざっとこんな構成でした~
練習曲集『音の絵』Op.39-2 / 『音の絵』Op.39-6 / 『音の絵』Op.39-9 / ピアノ・ソナタ第2番変ロ長調 Op.36(改訂版) / フーガ ニ短調(世界初録音) / 管弦楽のための組曲(ピアノ独奏版、世界初録音) / 前奏曲 Op.23-5 / 前奏曲 Op.32-12

claudiacardinale said...

JTさん、こんにちわ。流石行動が早い、マツトーエフを聞いたとは!

「雨の雫が落ちるような音から岩場に打ち付ける波のような音」

そう、その表現もピッタリですよ、「岸壁の母」というか彼の演奏ってどちらかというと演歌調なんです!!なかなか鋭い点をついてくれました、JTさん。これはロシア的ピアノ演歌とてもいえばいいんでしょうかねぇ?うーん、ロマンチックで大好き。

会場でマツトーエフのCDを売っていたんですけど、長蛇の列。でもサインも貰えるから(ミーハーな私)列に並んでも買おうかなぁと迷いましたがあまりにも空腹だったので食い気に負けてしまいました。「Rachmaninoff」良さげなので私も早速購入します。では今からiTuneです。さようなら〜

Anonymous said...

>ロシア的ピアノ演歌
これこれ! ラフ様にぴったりの言葉です。
だから私は彼の音楽に「共感的反感あるいは反感的共感」を感じてしまうんですヨ。

claudiacardinale said...

ピッタリソンさん、という事はなんやかんやいいながらも惹かれてしまうという感じですか???

私はラフ様は共感的共感、まあ全てが100%ではありませんが、素直に好きです。けど演歌となると・・・、好きですけどこれをいつも聞かされたらかなりきついかも。たまーに聞いたり、居酒屋でかかっていたりするとうらびれたいい感じなんですけどね。これが毎日となるとアレルギー反応がでるかもシレマセン。

claudiacardinale said...

ピッタリソンさん、そういえば勝手にリンク貼ってしまいましたが、よかったですか?

Anonymous said...

コメント管理が厳しくなりましたね。Googleアカウントを持たないと投稿できないみたい。さて、これでどうか、確認のために投稿します。

claudiacardinale said...

ビアンカさん、えっ、そんな事になってたんですか???それはお手数かけます。セキュリティーがしっかりしているのか、勧誘なのか???ムムムッッ・・・でもこれはちゃんと届いております!