5 July 2008

Candide

Candide by Leonard Bernstein @ English National Opera

ボォルテール作「カンディード」原作のバーンスタイン作曲オペレッタ「Candide」を見た。これがとても面白くて全体的いいステージだった。私が天才と思う人間の一人バーンスタイン、やっぱりいいですねぇ。原作では無垢で楽天主義を信じるカンディードが旅をしながら人間社会を学んで行くという、ライプニッツ哲学の話なのですが、これを1950年代のアメリカに当てはめてしまってます。アメリカの50年代というとポスト・マッカーサー、反社会主義/ハリウッドの赤狩り、人権運動とものすごい勢いで社会が動いていた時。
カンディードはアメリカのウエスト・ウィングをもじったWest Failerで大統領の甥っ子で暮らしていたが、大統領の娘クネゴンデと恋に落ち、それが見つかって追放され、アメリカ各地をさまよい、兵役についたり、殺人を犯し、クネゴンデに再開しと、結局ニュー・ワールド/エルドラードを目指すが、辿り着いたエルドラードでも逃亡者の身となり、ショー・ガールとなっていたクネゴンデにも裏切られるが、最後はつつましい幸せを手に入れるというお話。原作が上手くアメリカの歴史にマッチしていて、KKKは出てくるわ、ネイティブ・インディアンは出てくるわ、ドン・コルレオーネやバグジー事ベンジャミン・シーゲルを連想させるキャラクターやマリリン・モンローも出てくるわ、ブレア、シラク、ベラスコー二、ブッシュも出てくるわと、エンターテイメント色が強いそうとう辛口の内容となってました。やっぱりこの手はアメリカ人上手いですねぇ。

この舞台、セットがとてもよかったです。舞台全体が昔のTVの形になっていて、画面の中でお芝居が行われます。オペレッタなので歌もあり踊りもありと、なかなかのいいのり。プロダクション・ディレクター/照明デザイナーはRobert Carsen。この人の手がけるステージは是非観てみたいですね。ボルテールにはToby Spence、恋人のクネゴンデはAnna Christy。歌手人はまあまあという処でしょうか。進行役のボルテールはAlex Jenning。


バーンスタインは3つのミュージカル/オペレッタを作曲しています。だれもが知っている「West Side Story」、「Candide」そして「Wonderful Town」。その他1幕目だけとか色々と作曲を手がけてます。バーンスタインの音楽はダイナミックながらも、繊細なコードと、天才と感じさせられる曲の進め方。大好きな、アメリカが生んだ偉大な音楽家/作曲家です。

5 comments:

Bianca said...

CCさん、お早うございます。バーンステインは、確か「ウェストサイド物語」にも携わっているのですよね。その歌詞にも、映画では気づかなかったものの、実は秘められているそうですが、ゲイであることを隠さなかったと言う点で破天荒な人だったようですね。井上保の「モーヴ色の肖像」で読みました。英国のバーナード・ショーにも「Candida]という戯曲がありますが、この映画、その影響を受けているのでは?と思います。

claudiacardinale said...

Biancaさん、こんにちわ。バーンスタインがゲイとは知りませんでした。けどこれを聞いてなるほど!と思える部分が多く見当たるような。あまり的確な意味がないですが、曲にしても、選ぶ作品にしても、なんとなく指向が感じられます。

いまバーナード・ショーの「キャンディダ」をウィキペディアでみたらイプセンの「人形の家」がベースと書いてありました。バーナード・ショーお好きですか?

Bianca said...

ccさん、こんにちわ!「人形の家」が下敷きでしたか。フェビアン主義で女性解放思想も持っていたバーナード・ショーらしいですね。ええ、かれは大好きなんですよ。イサドラ・ダンカンとの「私の美貌と貴方の知性」のやり取りは傑作ですよね。機知に充ちた戯曲「人と超人」は高校大学のころ夢中になったものです。今読んだらどうかわかりませんが・・・

Bianca said...

CCさん、こんばんわ!「人形の家」でしたか・・・。家出したノラのその後とCandideが重なるのかも知れませんね。ええ、かれは大好きなんですよ。とりわけ「人と超人」は夢中になったものです。今読んだらどうかわかりませんが・・・

claudiacardinale said...

Biancaさん、こんばんは。バーナード・ショーお好きなんですね。わたしは「May Fair Lady」(といっても映画ですが)しか知らないような・・・。読んだ覚えがあるかどうかが不確かです。けどこう聞くと「人と超人」は是非もので読みたくなってきました。この夏の間にでもなんとか読んでみます。(ティーンエイジャーに戻って読んでみますね)