9 February 2009

Vicky Cristina Barcelona

Vicky Cristina Barcelona by Woody Allen 2008 USA

ウッディー・アレンの新作。どうもヨーロッパで撮りだしたここ数年ウッディーの作品はつまらないものになってしまったけれど、この作品はなぜかしら期待していたのですが、やはりつまらなかった。とはいえその中でペネロペ・クルズが結構よかったのでまあなんとか救われた?という作品でしょうか。やはりウッディー・アレンには本国に戻って作品を撮ってもらいたいです、どうも彼の良さが他の国ではあまり反映していない気がします。(やっぱりNYでナロティックなユダヤ人のネタじゃないとねぇ・・・ウッディーらしくない)

アメリカ人の若い2人、ビッキー(レベッカ・ホール)とクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)、一夏をバルセロナで過ごす。息が合うこの2人、あまり相違点はないのだが男性観は全く反対。ビッキーはウォールストリートで働く真面目なフィアンセとの安定した関係に価値観を見いだしているが、一方クリスティーナは感情に任せる恋愛観。この2人、絵描きのアントニオ(ハビエル・バルデム)と出会った事からなにやら違う方向に、これにアントニオの狂った元妻マリア・エレナ(ペネロペ・クルズ)が加わり益々錯綜・・・。

典型的なアメリカ人から見たヨーロッパ像で、ビッキーにしてもクリスティーナにしてもこれまた典型的なアメリカ人、出てくるアメリカ人みんな典型的アメリカ人。その中でビッキーの恋人ダグ(クリス・メッシナ)はもっと典型的にしたアメリカ人キャラなので結構笑えるのですが。一方アントニオのキャラもアメリカ人が持つ典型的なラテン・プレーボーイ像。こういう典型的キャラを並べて典型的な話で持ってくる辺りで面白みを出すのがウッディー・アレンのよさなのですが、この作品では普通レベルで止まってしまってます。なので途中まで「あーなんかつまらない映画」と思ってみて見てましたが、マリア・エレナのペネロペ登場で一気に花火が上がったようでした。ペネロペはいい役者ですね、クレージーな女性をクレージーながらもコミカルに演じてました。昨晩英国アカデミー賞(BAFTA)の授賞式があったのですが、ペネロペが助演女優賞に見事輝いていました。そういえば2年前は「ボルベール」で主演女優賞受賞していたはずです。レベッカ・ホールは最近よく見ますね、「フロースト/ニクソン」でも出演していました。今年の一押し新人女優なんでしょうかね。(他だれかいたかしら??)

BAFTAでは「スラムドッグ・ミリオネラー」が監督賞と最優秀作品賞を受賞していました。やはり強いですねぇ。この最優秀作品賞のプレゼンターがミック・ジャガーだったのですが、結構笑わせてくれました。この直前はミッキー・ロークが最優秀男優賞受賞、このスピーチも自虐的でかなり面白かった。この流れでミック・ジャガーとなかなかの組み合わせでした。再来週末は米国オスカーです。これも楽しみ。

1 comment:

Bianca said...

CCさん、私の記事にご来訪有難うございます。フーン、典型的なアメリカ人とスペイン人になっているんですか。英国に住んでいる上、ユダヤ人なので双方から距離が置けるのかしら?CCさんの採点は辛いですね。そう確かに、彼の最良の作品と比べると、かなり落ちていますが、私は基本的にウディ・アレンを愛しているので、どうしても甘くなってしまいます。彼にNYに帰ってほしいのですか、しかし帰ってもあの時代の彼にはもう帰れないような。