31 January 2010

Nine

Nine by Rob Marshall 2009 USA

ブロードウィエ・ミュージカルのヒット作品、フェリーニの「8 1/2」がベースになっている「ナイン」の映画版。あまり評判は良くありませんがとにかく豪華キャスト、そしてフェリーニの「81/2」 はなんといってもテーィンの時に見た映画で一番衝撃を受けた大好きな作品なので(大げさにいうとこの作品を見て今の仕事を選択したという人生を左右した作品!!なのです)、劇場で上映が終わる前に駆け込みで見てきました。感想はというと、あまりにも「81/2」が凄すぎるのでこの「ナイン」はミュージカルといってもこれっぽっちもフェリーニには及びませんが、キャストの豪華さでは楽しめました。

60年代イタリア、有名映画監督のグイード(ダニエル・デイ・ルイス)は女優のクラウディア(ニコール・キッドマン)主演新作映画の製作に行き詰まる。同時に元女優の妻ルイザ(マリオン・コティアール)は愛人カーラ(ペネロペ・クルズ)といつまでも関係を続けるグイードに見切りを付ける。ミッドライフ・クライシスのグイード、母親(ソフィア・ローレン)の影を永遠に求め、コスチューム・デザイナーのリリー(ジュディー・デンチ)が唯一頼れる友人である。行き場を無くしたグイードは映画製作を中止し一線を退く・・・。

若手でお気に入りの女優ペネロペとコティアールはいい演技、そして歌と踊りを披露してました。特にペネロペ、彼女ははすっぱクレージー女をさせると天下一品です。マリオン・コティアールは「La Mome」でピアフを演じてたので歌はいけると知ってたのですが、ペネロペは歌も踊りもいけるとは知りませんでした。ジュディー・デンチもダニエル・デイ・ルイスも上手い!けどダニエル・デイ・ルイスはどうもイタリア人には見えなく、ジュディー・デンチと一緒だと残念ながらどうしてもイギリス人となってしまう・・・。アメリカ人ジャーナリスト役でケイト・ハドソン、そして海辺にすむ気違い女にシンガーのファーギーが出ているのですがこの2人の歌踊りもいい!ニコール・キドマンはというと・・・好きではないのでノーコメントです(笑)。とにかく演技は勿論の事、歌も踊りもいけるとは一流の役者は幅が広いです。そしてもう一人、私の大大大好きな女優ソフィア!!お年を召して益々すごみが増してますが、彼女の姿をスクリーンで見れたのはうれしかった。ソフィアにしてもペネロペやコティヤールと好きな女優に共通するものはとびきり美しいけどグロテスクな面も持ち合わせているという両極性、これがなんともいえません!!(だんだん興奮してきてます・・・笑)

ミュージカルとはいえよくもあのほぼ神格化している作品「81/2」を題材に映画を撮ったなぁーと、ロブ・マーシャルのアラガントな精神を感じてしまいます。「シカゴ」は成功していたけど「さゆり」は酷かったですしねぇ。でもこれだけのキャストが出ていてもやはり「81/2」の作り出したグラマラスさには全く届いていません(笑)やっぱりあれはマルチェロやアニタ・エクバーグやクラウディア・カルディナーレやアヌーク・エーメでフェリーニのマジックにかからないとダメなんですねぇ。あれっっっ「甘い生活」と混乱してきました(笑)という事で久々にフェリーニが見たくなる作品「ナイン」でした。

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