22 November 2010

Uncle Boonmee who can Recall his Past Lives

Uncle Boonmee who can Recall his Pat Lives by Apichatpong Weerasethakul 2010 Thailand

2010年カンヌのパルムドール受賞作品、タイの「ブンミおじさん」。人生最期を迎える主人公が生まれ育った田舎の森の中で過ごす、そこに亡くなった妻が現れ行方不明となった息子が登場する。深い闇につつまれ樹林が織りなす神秘的な大自然、そこで起きる奇天烈な出来事が、神話の様に不思議な過去/現在、生/死の世界を創造している。一方主人公が死んだ後観客は現実の世界に引き戻されるという、全体的に監督の世界観がはっきりと現れている作品だった。

主人公の葬式の後、修行僧になった主人公の甥が寺から袈裟をまといながら抜け出し、叔母のホテルに訪ねて、シャワーを浴びジーンズとTシャツに着替えてから外に夕食を食べに行くというシーンがあるのだが、ストーリー全体でこの部分が一番動きのある部分だった、という位にとても静かな作品。神秘的な不思議な世界から普通の現実と、不条理が入り交じる童話の映像版の様である。

カンヌの審査委員長がティム・バートンだったというのが頷けます。

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