10 July 2011

The Tree of Life

The Tree of Life by Terrence Malick 2011 USA

今年度カンヌ・パルムドール受賞作品テレンス・マリック監督の「The Tree of Life」。この作品、カンヌでも賛否両論に分かれたそうだが、私は否の方。

設定は50年代アメリカ・テキサス州に住む一家に起こった悲劇、息子の死を父親(ブラッド・ピッド)と母親(ジェシカ・チャスティン)そして後成長し中年となった弟(ショーン・ペン)を通して、スケールでかく描いている。
作品の前後に挿入された死と生のメタファー的映像があまりにも多くて、またそれが恥ずかしいくらいに宗教的というか精神的に演出されている。これらの映像に母親がつぶやく「息子よ」というあまりにもあからさまなダイオローグに思わず「Oh my God!」とつぶやいてしまった。それとは全く逆に映画中盤にある死んだ息子のドラマ部分は素晴らしい出来。
この作品、一言でいうとアメリカ・ピューリタン精神が全面に出た演出。今年のカンヌの審査員はロバート・デニーロやらウマ・サーマンととにかくアメリカ人が多く、またカンヌ自体アメリカ・ハリウッドひいきになっているのが影響してこの作品がパルムドールに選ばれたと思えてしまいます。テレンス・マリックの「The Thin Red Line」は好きだったのですが、この作品はかなり残念。やはり生命のメタファー的映像を上手く使いこなしたスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」を超えるものはないのでしょうか???

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