9 July 2011

Richard III

Richard III by Shakespeare @ Old Vic
Directed by Sam Mendes

なにやら色々見たものが溜まってますが、先ずは「Now is the winter of our discontent. Make glorious summer by this sun of York. / やっと不満の冬も去り、ヨーク家にも輝かしい夏の太陽が照りはじめた」の冒頭の台詞で有名なシェークスピアの悪名高いキャラクター「リチャード3世」。これはロンドンのOld VicとNYのBrooklyn Academy of Music の共同製作舞台3シリーズの第一弾。舞台演出は映画監督のサム・メンデス、主演はケビン・スペーシーとアメリカン・ビューティーでアカデミー賞をとったコンビです。

サム・メンデスとケビン・スペーシーというコンビで惹かれながらもイギリス英語でシェークスピアと(当然です)かなり躊躇していたのですが、嬉しい事にアメリカ英語でした!これはケビン・スペーシーのおかげでしょうか??私の能力ではついていけない古典英語のシェークスピア、アメリカアクセントで聞くとまだ分かりやすい。それはともかく、ケビン・スペーシーの演技は絶賛もので今まで見たシェークスピアの中では最高でした。グロテスクながら詭弁で野望に渦巻くリチャード3世をこれまた恐ろしいながらもウィットのある頭の良さを持ってクリエイトしてました。今までシェークスピアを舞台でみるとどうも英語が分かりにくいのでウトウトと・・・していたのですが、この舞台のアートは現代に設定してあるのと、シーンチェンジが早いというのもあり、またアメリカ英語だったので楽しめましたが、一番は役者の力量ですね。

このリチャード3世は史実に基づいています。英国中世期の権力抗争の為、せむし男で野心の高いリチャード3世が実兄を陥れ、兄嫁を奪い、子供を殺して、家臣も見捨て、王座につくが、ヘンリー7世に討たれるというカオスを体現したお話です。その晩に見た夢は、殺人を侵した私がこれから先この恐怖と共に生きて行かなくてはいけないという悲劇に陥ったものでした!サブリミナル効果。このリチャード3世もなかなかのキャラクターですが、私の一番のお気に入りはやっぱりオセロのイアーゴです。

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