11 October 2011

Melancholia

Melancholia by Lars von Trier 2011 Denmark, France and Germany

ラース・フォン・トリアーは好きな監督、新作「メランコリア」も奇想天外な内容といつもながらの徹底した悲観的主観で描かれてます。メランコリアとは太陽に隠れて地球から見えなかった惑星、元々メランコリアとはアルブレヒト・デューラーの鬱をテーマとした銅板画。この惑星が地球に激突するという話。その前の1話ではキルスティン・ダンスト演じるジャスティンが姉夫婦(キーファー・サザーランド&シャーロット・ゲンズブール)がジャスティンにプレゼントした結婚式を無茶苦茶にしてしまう内容。この映画の要旨を簡単に表すと鬱は破壊を経て平穏に戻るという事でしょうか?

カンヌでトリアーは「ヒットラーに共鳴する」というアホな発言をした為に追放されています。もしこの発言がなかったら確実にパルムドールを受賞していたと思います。この作品はとても出来がよく又好きな監督なので残念でたまりません。一方キルスティン・ダンストは女優賞受賞しています。ロマン主義に走るクリエーターにとってナチは紙一重の所に位置するのでしょうか?大きな勘違いとでもいいましょうか。勿論個人的にナチ、ヒットラーは許し難いものですが、この罠にハマってしまっている私好みのクリエーターが何人かいます。仏作家のフェルナンデン・セリーヌ、既に死亡してますが第二次世界大戦中ナチを擁護した事で長年作品が封印されていました。反ユダヤだったワーグナーのオペラもヒットラーが好んで聞いていたという事で敬遠する人が多いです。まあ元々19世紀のヨーロッパは反ユダヤ思想が社会的に強かったのですが。このワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が大音響で存分と聞けたのはなかなかよかったです。もう一度見たいくらいの作品でした。

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