シリア国境沿いトルコ南部で撮影された、ダーイッシュ（イスラム国を名乗る過激派組織ISIL）脱党者達と、その脱党を手助けする自由シリア軍のメンバー達による証言ドキュメンタリー。
一度はダーイッシュをを信じて入党したが、その矛盾、ごまかし、非道な暴力礼賛、退廃しきった組織に失望する若者達。自由シリア軍は工作員による内部救助活動のネットワークを通じて彼らを救い出す。その活動は多大な危険が伴う。元ダーイッシュ戦闘員達はISILの内情を告発、また自由シリア軍は入手した情報やラッカやダーイッシュメンバーの内部映像などを公開している。
このドキュメンタリーはストレートに証言と入手した映像のみで綴られている。今までにダーイッシュに関する報道やドキュメンタリーは色々と見て来たが、この作品は非常に納得性の高いものである。上映の後、プロデューサーの質疑が行なわれた。このドキュメンタリーの監督はかつてシリア、エジプト、イエメンに暮らしていた事があり多くのネットワークがあったそうだ。それを通じて、自由シリア軍側から取材のアプローチを受けたそうだ。実際にこのドキュメンタリーではトルコ側にいるこの活動に携わる自由シリア軍のメンバーの顔がそのまま写されている。プロデューサーは命の危険性の為に顔を隠す事を主張したらしいが逆に秘密警察やダーイッシュには彼らの顔は知られているので隠す必要はないと押し通されたと述べていた。また撮影中にはパリの襲撃事件などもあり、撮影は困難を極めたという。自由シリア軍はこのドキュメンタリーに協力する事により、ジハドに洗脳される若者達を思いとどまらせ、またダーイッシュのリクルートキャンペーンを阻止する事を目的としたそうだ。
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