1 February 2017

Lion / ライオン 25年目のただいま

by Garth Davis 2016 Australia

インドの片田舎、5歳の少年サルーはいつでも兄のグデューと一緒。仕事に行ったグデューを駅で待つサルーはうっかり電車の中で居眠りをしてしまい終点カルカッタで迷子となってしまう。浮浪児となってしまったサルーは孤児院に引き取られ、そこでオーストラリア、タスマニアに住む白人夫婦に養子として引き取られる。成長したサルー、ある偶然にも昔好きだったインド菓子を見た時に失った実母と家族を探し出す事にかられる。

サルー・ブライアリーの経験に基づいた実話である。とても丁寧に作られ、ホロリと感情が上手く描かれている。5歳のサルー、泣いているシーンは全くないが朝起きて頬に乾いた涙が見られるのにはこちらも涙がほろりであった。白人夫婦にはニコール・キッドマン、あまり好きではない女優だが押し殺した感情表現がとても素晴らしかった。成人してからのサルーは「スラムドッグ・ミリオネラー」のデーヴ・パテール。「スラムドッグ・ミリオネラー」以来「マリーゴールド・ホテル」などで見ていたが、今までの彼とは全く違う容姿と雰囲気であった。嫌みがなく、また素晴らしい演出で久々に感動した作品であった。監督のガース・デイヴィスはこれが初めての長編映画とこれから期待出来る監督だ。

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