10 October 2017

Wallay / ウァラー

by Berni Goldblat 2017 France, Burkina Faso, Catar

西アフリカはブルキナファソ在住ドキュメンタリー監督Berni Goldblatの初めての劇映画「Wallay」。

母を亡くした13歳のアディは父親とフランスのリオンで生活している。父親からお金を盗んだりと日増しに荒れるアディにしびれを切らした父親は出身地である西アフリアのブルキナファソにあるWallayという村に息子をホリデーと偽って送り込む。先進国の都会で育ったアディ、村で家族に迎えられるが生活には馴染めず、父親代わりの保守的な叔父との葛藤、祖母との出会いを経て自己アイデンティティーを形成して行く。

ドキュメンタリー的に撮られたこの作品、先進国の典型的な身勝手で自己中心的なティーンエイジャーが全く違う環境で思い通りにならない状況に置かれ追い詰められながら成長して行くアディ(Makan Nathan Diarra)、アディのメンターとなる従兄弟のジャン(Ibrahim Koma)、そして無条件の愛を注ぐ祖母(Josephine Kabore)、叔父のアマデュ(Hamadoun Kassogue)の素晴らしい演技でストーリーにグイグイと引き込まれて行く。上映後監督の質疑があったのだが、アディを演じたMakan Nathan Diarraはこれが初めての映画だったそうだ。パリでアディ役のキャスティングを百人近く行なったそうだが、偶然道でMakan を見かけ、この子こそアディだと思いそのままスカウトし器用したそうだ。各国の映画祭でMakanは同年代の女の子から絶大な人気を得ているという。その他のキャストは西アフリカでは有名な俳優である。

丁度1ヶ月前ガーナとブルキナファソの国境沿いに行っていたのだが、この映画のロケ地は私がいた地からさほど遠くなかった。この作品にも現地の人々の文化、伝統、そして彼ら特有のみなぎる生の強さが滲み出ていた。ブルキナファソはアフリカでも唯一の映画国、2年毎に行われる映画祭には是非行ってみたいものだ。

No comments: