Nabucco

Nabucco by Giuseppe Verdi @ Royal Opera House

エルサレムを攻撃するバビロニア王国ナブッコとヘブライ人のお話、旧約聖書がベースとなっている。ヘブライ人は古代ユダヤ人なのだが、彼らの衣装がナチ政権頃のと同じでダビデの星マークをつけたグレーのスーツやドレスと現代的であり又セットは極めてシンプルでグレー、ユダヤ人は紀元前から第二次世界大戦が終わるまで迫害され続けて来た民というアピールをこのダニエル・アバドの演出から感じたのは私だけだろうか。ちなみにダニエル・アバドはクラウディオ・アバドの息子。

ローヤル・オペラ・ハウスでの初演でナブッコを演じたのはレオ・ヌッチ。初演以降はドミンゴに交代となり本当はドミンゴで観たかったのだがチケットが入手出来ずレオ・ヌッチだったがなかなか良かった。安定した延びる声で素晴らしいと思ったのはアビガイッレを歌ったリュドミラ・モナスティルスカ。初めて聞いた歌手なので調べてみると昨年のROHで急遽交代で歌った「アイーダ」が好評でその後「マクベス夫人」を演じ、またMETでも「アイーダ」で歌ったという新鋭歌手だった。演出はイマイチだったが歌手陣が素晴らしかっただけに楽しむ事が出来た。