17 September 2018

Zimna Wojna / Cold War / コールド・ウォー

by Pawel Pawlikowski 2018 Poland

2018年カンヌで最優秀監督賞受賞作品「Cold War」、冷戦時代のポーランドで冷戦という時代に翻弄される恋人達を追った作品。前回の「イーダ」と同じくパブリコウスキー監督の演出はモノクロで静かに進行していくが、なかなかインパクトの強い内容である。

民族音楽団のシンガーダンサーに選ばれたズラ(ヨアンナ・クーリグ)、楽団のディレクターであるヴィクター(ボリス・シッチ)と恋愛関係になるが、時は冷戦時のポーランド。自由を求めて渡航公演中に亡命するヴィクター、一方故郷を離れる事ができないズラだが渡航公演のたびに逢瀬を重ねお互い身を滅ぼしていく。

音楽と映像で見せるこの作品、大人好みな風合いである。確かに劇場にいた観客の多くは高齢者が圧倒的。モノクロで撮られたパリとポーランドがとてもクラシックでノスタルジック。50年代のパリの音楽シーンはとても魅力的だが、一番印象に残ったのは民族楽団の団員が歌うポーランドの民謡。意味は分からないが「オヨヨ〜〜オヨヨ〜〜」と歌うシーンがなかなか迫力である。とはいえ「愛の嵐」でシャーロット・ランプリングがナチのユニフォームをきて歌うシーンのような虚無感が全体を包んでいた。

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