by Hugo Berkeley 2018 US/UK
1959年米国務省がアメリカのイメージ向上を図り計画したジャズ・アンバサダーズ。このジャズ・アンバサダーズを題材としたドキュメンタリー。時は冷戦下、アメリカ国内は公民権運動に揺れ動き社会は大きな転換期を迎える。人種差別そしてその社会的葛藤をソ連はプロパガンダに大々的に利用、世界的にアメリカのデモクラシーとは裏腹のイメージが蔓延する。NYハーレム出身の黒人上院議員アダム・クレイトンJrはアジアやアフリカの独立を目指す国々への支援を政府に提唱し、また国務省に逆らって自らの意志で1955年アジア・アフリカ会議にオブザーバーとして参加、グローバルにおけるアメリカの存在と多民族支持のイメージを高める事に成功、帰国後アダム・クレイトンJrはその功績に賞賛を得る。1956年アダム・クレイトンJrは国務省に偉大なるジャズミュージシャン達を文化交流大使として世界ツアーを行うことを提案。第一号としてディジー・ガレスピーを筆頭とするバンドの中東ツアーを敢行。その後ルイ・アームストロング、ベニー・グッドマン、デイヴ・ブルーベック、デューク・エリントンと続いていく。このドキュメンタリーでは貴重な映像アーカイブ、そしてインタビューを通して、アメリカをアピールする姿とホームタウンで続く公民権運動の苦しみの間にいるミュージシャン達の葛藤を追求している。このドミュメンタリーの見所は、ミュージシャン達のアーカイブ映像。ルイ・アームストロングがアフリカ各国をツアーしていたなんて全く知らなかったし、またどこも国をあげて大歓迎する映像はそれはある種感動的なものであった。
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