18 May 2006

Time to Leave

Time to Leave by Francois Ozon 2005 France

オゾン監督の新作。彼は往年の女優を撮るのが非常に上手いが今回は80歳近いジャンヌ・モローが素敵に映し出されていた。あと3ヶ月の命と宣告されるゲイで ファッションフォトグラファーのRomain(Melil Poupaud)。家族そしてボーイフレンドに事実を隠し一人で死を受け入れる。唯一告白したのが彼の祖母(Jeanne Moreau)、なぜなら彼女も余命が短いという同じ状況にあるからだった。途中高速のドライブウェイで知り合う、性的不能の夫を持つウェイトレス (Valeria Bruni-Tedeschi)から子供をつくらないかと持ちかけられ、それがきっかけとなりRomainは死を徐々に受け入れるようになる。ただ単に死 を待つ男の話では終わらず、人間関係そしてその連鎖の面白さが話に盛り込まれている。若いRomainと年をとったジャンヌ・モローの対比から死に対して の違う側面も感じられた。それにしてもオゾンは女優をホント奇麗に使う監督。「まぼろし」のシャーロット・ランプリングは50歳半ばにしてのヌードが素晴 らしく奇麗に撮られていた。もう一人彼が頻繁に起用するValeria Bruni-Tedeschiもなかなかいい。(ちなみに彼女の姉は80年代スーパーモデルで現在シンガーソングライターに転身したカーラ・ブルー二)な んとなくビスコンティーの「ベニスに死す」を連想させる映画でもあった。

1 comment:

claudiacardinale said...

Commented by J.T. at 2006-05-18 22:39 x
こんにちは。
銀座のシャンテシネでクラッシュを観たときに、予告編やポスターをみて、とても気になった作品です。まだ観てないのですが、トレイラーでは、ジャンヌ・モローの顔がとても哲学的に見えたのが印象に残ってます。
紹介記事を読んで改めて観てみたくなりました。まだ上映してるので時間が許せば是非。
ちなみに邦題は”ぼくを葬る(おくる)”ですが、”おくる”とあてても、なにか不自然な感じがします。原題の”Time to Leave”のほうが作品のイメージが膨らみますね。

Commented by margot2005 at 2006-05-18 23:38
こんばんは!
この作品は今年度の中でも、オゾン映画の中でもベストに入る作品となりました。ジャンヌ・モローの存在も素晴らしかったですね。
フランス映画祭で“デュラス/愛の最終章”と共に来日したモローさんにお目にかかりましたが、老いても素敵なフランスのマダムでしたわ。

Commented by claudiacardinare at 2006-05-19 01:17
JTさん、ジャンヌ・モローはすごく素敵に撮られてましたよ。80になってもあのくらいの魅力をキープ出来るとは脱帽です。同じ女性として是非見習いたいデス。邦題になると結構おもしろくなる事が多いですよね。真っ先に浮かぶのはトリュフォーの「Jules et Jim」=「突然炎のごとく」。?ですが邦題の方が味がありますね。

Commented by claudiacardinare at 2006-05-19 01:20
margot2005さん、遊びに来てくれてありがとうございます。確かに、ここ最近イマイチ冴えなかったオゾンですが、これはひさびさのヒットですね。モローさんに実際にお目にかかられたのですか、それはうらやまし〜〜〜〜〜かぎりです。

Commented by halfmoon81 at 2006-05-21 08:51
ジャンヌ・モロー、80歳になるのですか、、、この映画、ぜひ見てみたいです。シャーロット・ランプリングも好きな女優さんのひとりです。
関係ありませんが、岸恵子も年を重ねるほど魅力的になっていくように感じます。フランスマジックでしょうか(笑)

Commented by Bianca at 2006-05-22 15:21 x
「ぼくを葬(おく)る」はいただけませんね。語感が悪く、無理なよみかたで。「突然炎のごとく」は、特にラストシーンを指しているのでしょうか。原題の「ジュールとジム」も、男性ふたりの友情を中心にすえた、含みのある題名ですが、当時の日本では訴えなかったかも。その二年前の「去年の夏、突然に」が影響しているのか。(mfukatsu 改名しました)

Commented by claudiacardinare at 2006-05-22 19:01
halfmoon81 さん、岸恵子もすてきですね。これらの女性なんかこうハリウッド的整形にたよってない美しさっていうんでしょうか、熟成された女性の美しさって感じです。フェリー二の「甘い生活」に出ていたアニタ・エクバーグがフェリー二の遺作「インテルビスタ」に出演した時は元気のある恰幅のいいかわいい姿を披露してました。今一番見てみたい女優さんは原節子です。彼女なら実際みにくくなっていても美しく見えるかも。

Commented by claudiacardinare at 2006-05-22 19:08
Biancaさん、こんにちわ。コメント問題なく書き込めたようでよかったです。邦題の「突然炎のごとく」、想像をかきらてられどちらかというとこちらの方に惹かれてしまいます。そういえば最後のシーンなにかを燃やしていましたね。「昨年の夏、突然に」は、あっ、エリザベス・テーラーの「Suddenly Last Summer」ですよね?今突然思い出しました、確かテーラーだったと。書いている途中まで「昨年マリンエバードで」とごっちゃになっていました。

Commented by Bianca at 2006-05-23 10:18 x
えっ、何か燃やしてました?たしかあれは・・・だめだめ、これを言ったらぶち壊しになりますので、。ジャンヌ・モローですが、私は「雨のしのび逢い」 MOderato Cantabileで初めて知って以来、ひいきにしています。変幻自在な奥深い女の魅力が、女優としても発揮されていて、
予想のつかない変わり方を見せてくれますよね。人間としても尊敬できます。でも、あの映画の底に流れている男の関係に深く思いをめぐらすと、もっとスリルがあるような気がするのですが。トリュフォーは、女性中心に描いていましたから、あれはあれでいいのですが。原作をもう一度読んでみようと思っているところです。

Commented by claudiacardinare at 2006-05-23 21:53
Biancaさん、「雨のしのび逢い」見た事ないのでちょっと調べてみたらジャン=ポール・ベルモンドも出ているのですね。DVD借りようと思ったらありませんでした。残念!私の気に入っているモローの出演作はやっぱり「死刑台のエレベーター」と「女は女である」でしょうか。

Commented by claudiacardinare at 2006-05-24 00:29
Biancaさん、燃やしてませんでしたっけ?私の記憶違い?ぶちこわしとは?う〜ん、とても気になります・・・

Commented by Bianca at 2006-05-24 11:04 x
燃やしてませんよ。私も、二回目に見て、すっかり忘れていたラストシーンにまたまたおどろいたのです。見てのお楽しみ。それから、「(ぼくをおくる)がいただけない」とは、ただ日本語のタイトルについてですので。誤解されそうな表現でしたね。

Commented by Bianca at 2006-06-09 11:00 x
またまたお邪魔します。とうとう見ました。ポスターに(余計なものがくっついているので)ゾッとしつつ、OS名画座、夜の回15人中男5人、2人を除いて殆んどが中年以上。「葬」と言う字が響いている?オゾンは二作目です。若い男の肉体と、ベッドシーンが、堪能できました。ただ、監督は40歳前、死というものが気になるのでしょうが、本当の老人は日々少しずつ近づく死を実感している、大きな違いですね。この人ゲイであるだけに男へは愛のある視線が注がれ、女へはかなり自己中心的に接しているのが、見て取れます。彼の女性像、ちょっとちがうかなーと感じます。

Commented by claudiacardinare at 2006-06-09 23:29
Biancaさん、オゾンってゲイだったんですかぁー。知りませんでした。これで今までの彼の作品が理解出来る気かします、というか彼の感性が。彼が持っている女性像にはこだわりがあるんだろうとひしっと伝わってきます。