12 March 2007

Bamako

Bamako by Abderrahmane Sissako 2006 Mali/France

フランス映画/フランス共同制作映画を対象に外国人記者が選出するリュミエール賞にて最優秀フランス語圏(フランス以外)映画賞受賞作品。Bamakoは西アフリカにあるマリ共和国の首都である。この作品はマリ出身の監督アブデラマン・シサコがすばらしくインテリジェントにマリ共和国の苦悩をストレートに描いた作品である。

Bamakoに住むカップル、ラウンジシンガーのMele(Aissa Maiga)と失業中の夫Chaka(Tiecoura Traore)は破局の危機にある。このカップルの住む共同アパートの中庭に人民裁判所が設けられ、グローバリゼーション、世銀やIMFに対するマリ人による市民告訴裁判が行われる。この法廷に立つ証人は作家、法律家、不法出国者、経済移民、失業者などであり、彼らの証言はいかにこの大義名分を抱えた国際機関がマリを経済的に陥れているかを彼らの視点から語る。一方国際機関を支持する側はアフリカが抱える不安定な情勢を訴える。この法廷論議をラジオから聞く一般市民。ある者は真面目に耳を傾け、ある者は仕事をしながら聞き、ある者は無関心を装う。失業中のChakaも自身の問題に捕われこの裁判に関わる余裕がない。

この法廷の人々の雄弁に語る声が素晴らしく納められており、一方その回りで普通に営まれる人々の生活が淡々と描き出されている。マリをはじめアフリカが抱える経済、教育、福祉、インフォストラクチャー、そしてエイズなどの数限りない深刻な問題。この題材を、よくTVで見るありきたりな恵まれないアフリカの子供を象徴するような映像を使って描かず、ストレートに彼らの日常生活そして生の声を組み合わせる事により、今までと違う強烈なメッセージを放っていた。

確かに欧米を初め先進国はフリートレードを掲げながらも農業などの国内保護を行い、その為発展途上国は安価でこれらの産物を輸出出来ず、そして世銀などから貸し付けを受け、借金は返せず利子がたまりとトロイの木馬状態に陥っている。一方アフリカの民族抗争などの不安定も一因とこの貧困問題を打開するには何が必要なのかと色々考えさせられる作品であった。

近頃「グローバル・ウォーミング」の声が高々になっているが、確かに重要な問題であるにちがいないが、一方この「グローバル・ウォーミング」がいかに政治的に利用されているかも念頭におかなければならないという、現代社会本質を見分ける事の難しい時代です。

5 comments:

laigo said...

非常に参考になりました。
どうもありがとう ^ ^
自分も映画好きなのでこのブログを
見つけられて嬉しいです。
残念ながら今日は少し時間がなくて…
またゆっくり寄らせて頂きますね。
では

claudiacardinale said...

laigoさん、コメントありがとうございます。お時間のある時に是非遊びにきてください。laigoさんのコメント楽しみにしています。

Anonymous said...

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mk_djenne said...

はじめまして。とても読みごたえのあるブログですね。

じぶんのブログでこの映画Bamakoのことを書くにあたって、こちらのサイトを参考にさせていただきました。文中でリンクもはっています。
http://mkalbumdejournal.blogspot.com/2010/03/bamako.html

claudiacardinale said...

mk-djenneさん、こちらこそはじめまして。そちらのブログにもお邪魔しに行かせて頂きます。
アフリカ大陸はいいアーティストの宝庫なので文学、音楽、アート、映画とこれから素晴らしい作品がより出てくるといいですね。