17 January 2008

4 Months, 3 Weeks & 2 Days

4 Months, 3 Weeks & 2 Days by Cristian Mungiu 2007 Romania

2007年度カンヌ・パルムドール受賞作品。以前見たルーマニアの映画「The Death of Lazarescu」やカンヌでの受賞作という事である程度トーンは想像していましたが、それ以上なディープな作品でした。予備知識まったくなしで観に行ったので、ああ題名はそういう事なのねと後で納得した次第です。

時はルーマニア、コミュニズム崩壊前の1987年。オティリア(Anamaria Marinca)とガビタ(Laura Vasiliu)は大学の寮のルームメート。

妊娠してしまったガビタ。2人は違法堕胎医ベベ(Vlad Ivanov )とのメーティングの為市内の安ホテルをアレンジする。

コミュニズム崩壊前、中絶、違法というと大体想像できますよね。荒廃しきった街に犯罪が横行する。その中で大学生というエリートでながらまだティーンという幼い大人子供の2人。内容はセンセーショナルなのですが、オティリアを通してこの日に起こる事が静かに淡々と描かれています。
見ていてもどかしさを感じるシーンも多々。デルダンヌ兄弟の「L'enfant」もそれに近かったような。見ている側がオティリアに感情移入出来るんですね。Anamaria Marinca演じるオティリアは素晴らしい出来でした。


「The Death of Lazarescu」や「12:08 East of Bucharest」など最近良質なルーマニアの映画が出て来ています。Mungiu監督の受賞でこれからより注目されていくのでしょう。

話は飛びますが、ポール・トーマス・アンダーソンの「There will be Blood」、ジュリアン・シュナベルの「The Diving Bell and the Butterfly」、Jason Reitmanの「Juno」がこれから公開です。なんとしても見なくては!あとデカプリオがプロデュースした「The 11th Hours」という環境問題のドキュメンタリーも公開なので興味津々です。

13 comments:

Anonymous said...

そうですか、かなりディープ。
違法堕胎と聞いて、マイク・リー監督の「ヴェラ・ドレイク」を思い出しました。
こちらは堕胎治療をする側の話でしたけど、やはりデープでした。
ところで、CCさんの触手が動く作品がめじろおしのようで!
私は観たい公開映画の消化率は50%ほどで、残念な思いをしていま~す。
見逃すと1年ぐらい後にDVDになる作品もありますからね。
カザフスタンの「ボラット」も、最近やっとDVDになって、手元に届きました~CCさんにとっては、遠い記憶の作品かも?(笑)

claudiacardinale said...

JTさん、そう「ベラ・ドレイク」もそうですよね。「ベラ・ドレイク」もこの作品も見終わった後の感想は社会の闇の犠牲者という意味で結構似ていたかも。

話は180度変わって「ボラット」ですか。かなりお下劣でしょ。受ける人とダメな人にわかれるんじゃないかしら?JTさんは如何でしたか?感想楽しみにしております!

それにしても見たい映画の公開って重なりますよね、特にこの時期。これで賞レース期が終わるとまた見たい映画がなくなりと、まんべんなく公開して欲しいものです。

Anonymous said...

こんばんは!
この作品「4ヶ月、3週間と2日」とズバリ直訳で東京では3月1日に公開予定です!
スゴく興味深い作品ですね.
期待したいです。
JTさんが書いてるように「ヴェラ・ドレイク」を彷彿とする作品なんですか?
「ヴェラ・ドレイク」は辛い作品でしたが素晴らしい!映画でしたね。

claudiacardinale said...

マルゴ嬢、こんばんわです。「ベラ・ドレイク」ではどちらかというとベラの献身的姿に感動したのですが、こちらの作品では、無知な若者の行動そしてそういう状況を作り出す社会というものに怒りを覚えるという感じでした。
この手の題材はおっしゃる通りつらいけどその反面人間性というのがストレートに描かれますね。
これもいい作品でした。

Anonymous said...

期間の話なので、"monts"ではなく、"months"だと思います。

claudiacardinale said...

匿名様、ご指摘ありがとうございます。うっかり「H」が抜けてました。おっしゃる通りMonthsです。

Anonymous said...

この映画は香港でも3月公開ですね。ルーマニア映画ってまだ見たことがありません・・・日本か香港でぜひ見ようと思います!

My Blueberry Nights見てきました。想像していた通りでしたが、雰囲気を楽しむにはよかったかもしれません。香港では少林サッカーのStephen Chow最新作が公開中です。ただ、彼のコメディは広東語がわからないと完璧に面白くはないらしく、私にはむずかしいかも・・・

Anonymous said...

勝手ながらclaudiaさんのリンク貼らせていただきました・・・

claudiacardinale said...

j'adoreletheさん、リンクどうもありがとうございます。My Blueberry Nights見られたんですね。やっぱり雰囲気ものですかぁ、そうかぁ、想像していた通りかしら。では早速そちらにお邪魔させて頂きます!

Anonymous said...

こんばんは!
やっと観に行けました!
いやはや同性にとっては身につまされる辛い作品でしたわ。
バスルームのシーンなどかなりリアルで...あの後レストランで肉料理はやはり食べれませんよね??
いきなり終わるラストはナイスでした。
CCさん同様、映画を観て初めてタイトルに納得。
でも4 Months, 3 Weeks & 2 Daysでの堕胎ってあんなに簡単な世界じゃないかと思えますが、まぁ映画だからOKとしましょうか。
>Anamaria Marinca演じるオティリアは素晴らしい...
同感でございます。

claudiacardinale said...

マルゴ嬢、おっしゃる通り「あの後レストランで肉料理はやはり食べれませんよね??」ですよね。そこはやっぱり社会主義国、今までのトラウマが糧となって食べれる様になっているんでしょうかね????私もあのシーンはゲゲゲ、生々しいと思い見ていました。そういえば確か肉料理しか作ってもらえなかったのでは(はっきりと覚えていない・・・)
とにかく私はあの妊娠した女の子の無責任さ、そしてそういう状況を利用する人間に怒りを感じていました。

Anonymous said...

ccさん、今頃DVDで見たんですが、なかなか良かったですね。30代の男性監督が、よくこれを作ったと思います。中絶が非合法だと、似たようなことが起きるのですね。いまだに中絶を非難する勢力がいますし、その割りに避妊法は普及していないし。又、男性と女性で感想がガラリと変わるのが興味深かったです。

claudiacardinale said...

biancaさん、こんばんは。監督って30代だったんですね、もっと歳/経験を積んだ監督がつくったような作品でした。「いまだに中絶を非難する勢力」というと現在の共和等のVP候補のSara Palinがあてはまりますね。唖然とするくらいに保守派です。この人も神が戦争をしろと言ったから戦争をするといいかねないです・・・。