24 January 2009

The Wrestler

The Wrestler by Darren Aronofsky 2008 USA

とても期待していたミッキー・ローク主演「レスラー」。2008年のベニス映画祭では金獅子賞、ゴールデングローグではミッキー・ロークは最優秀主演男優賞、その他BSFC、BFCAなどでも最優秀主演賞を受賞している。英国アカデミー賞およびUSアカデミーでも最優秀俳優にノミネート、助演のマリサ・トメイも助演女優にノミネートされている。80年代にセクシー男優として一世風靡したのもつかの間、ボクシングにのめり込み、B級クラスの映画ばかりに出演していたミッキー・ロークが見事カムバックしている。昔の甘いマスクとは全く違い、太った醜い老いぼれていく容姿をそのまま映し出している。

80年代、ランディー(ミッキー・ローク)は売れに売れた人気プロレスラー。20年経った現在、リングに立ち続けているが長年のステロイドに心臓発作を起こし引退。スーパーでバイトをし、娘ステファニー(エバン・レイチェル・ウッド)からも見捨てられ、心寄せるストリッパーのカッシディー(マリサ・トメイ)にもふられる。プロレスにしか行き場のないランディーは命をかけてカムバックする・・・。

明暗を経験しながらもプロレスにこだわり続けるランディーを演じたミッキー・ローク。本人の人生と似ておりインタビューでも「オレもそうだったから、すぐに共感できた」と言っています。悲哀で弱者ながらもプロレスラーとして生き続けるランディー、多分醜くくなったミッキー・ロークながらも、ふと見せる、昔の陰が見え隠れする甘い表情が見ている者に好感を持たせるんでしょうか。まあプロレスラーという役もありますがとにかく何度も書いてますがミッキー・ロークすごくなってます。ストリッパーを演じたマリサ・トメイも女優魂よくここまでやったという演技です。監督のDarren Aronofskyはデビュー作の「Pi」以来でした。低予算とわかる映像がこの作品にとってよかったんでしょうね。まあお話自体はとてもシンプルな内容です。

最近こういう希望を持たす作品が注目を浴びてますね。偶然なのかもしれませんが、クレジット・クランチ、グローバル・リセッションと不景気な空気だから「Slumdog Millionaire」や 「The Wrestler」の様な作品が光ってくるんでしょうね。という事でミッキー・ロークは楽しめました。アカデミー主演男優賞たぶん彼ではないでしょうか。それにしてもここ最近いい映画が目白押し、忙しい〜。

6 comments:

Anonymous said...

こんにちは。Liです。ちょうどこの映画のトレイラーを見終わった所でした。やはり良かったですか。行きたいなー。前のポストのスラムドッグ〜もそうですがおっしゃる通り後味の悪いものより楽しくなる映画で元気づけたくなる世の中になってしまいましたよね。でも明日のgenesis cinemaのbaby screeningはワルキューレとフロストニクソンでした。先々週はスラム〜だったのですが…。この映画館観たいと思ったときに行かないと2度と同じ作品の上映はなさそう。フロストニクソンは観てみたい気はしています。ご覧になるご予定は?

claudiacardinale said...

Liさん、こんばんは。ようこそおこしやすです。「ワルキューレ」は酷評ですね、ワーグナーが好きなのでタイトルではひかれるものがあるのですが・・・。フロスト/ニクソン見る予定です。見たいものがありすぎて出来るだけ早くみようと思っています。実は明日「Milk」を見に行く予定。genesis cinemaって老舗の映画館ですよね?まだ足を踏み入れた事がないのですが、お近くにお住まいですか?

Anonymous said...

はじめまして。海外在住の方の映画評を探していてたどり着きました。とても興味深く読ませていただきました。
賞シーズンは観たいものがやっぱり増えますね。こちらアメリカでも映画館は賞レースの予想屋?でいっぱいです。
もしお時間があれば、最近はじめたワタシの拙いブログにもお立ち寄り下さい。
http://rubbinganelephant.blog.so-net.ne.jp/

claudiacardinale said...

lotusさん、こちらこそはじめまして。在米ですか?アメリカはオスカー前になるとお祭りのような感じですよね。アメリカにいた時はよくオスカー受賞予想賭けをしてました。オスカーの夜はTVの前でパーティー。(スーパーボールのノリです)そちらのブログにも遊びにいきますね。

margot2005 said...

C.C.さんこんばんは!
ミッキー・ロークにオスカー取って欲しかったですよね!
男のエゴ丸出しのストーリーでしたが、ラスト、ブルースのテーマが流れるや席を立つのが辛かったです。
薄幸な女を演じるとピタりとハマり、40歳過ぎて披露したマリサ・トメイのポール・ダンスは女優魂でしょうか。
「π」と同じ監督とは思えないシンプルな感動作品でした。

claudiacardinale said...

マルゴ嬢、おこしやすです。Mロークの変わり果てにはびっくりしましたが、今は今なりにいい味だしていますよね。いくら変っていても目は昔と同じでした。今後はどんな作品にでるのでしょうか???これでまた終わりになってしまうのかしら???