28 February 2009

Entre Les Murs / The Class

The Class by Laurent Cantet 2008 France

2008年度カンヌでのパルムドール受賞作品。アカデミー外国映画賞ノミネート。オリジナリティーが感じられ、中学校のクラスルームというマクロの世界で現代社会の縮図を映し出した見応えのある作品でした。プラス先生と生徒達の姿をストレートにドキュメンタリータッチで描いたところにこの作品の面白さが見つけられます。

フランソワ(François Bégaudeau)はパリ郊外の中学校13歳のクラスの教師。生徒達の大多数は移民、アフリカ諸国、アラブ諸国、南アジア、中国など国際色豊か。多くの生徒はフランス語を母国語としないので13歳にしては国語の能力は低め、またタフな生徒が多い学校である。国語を教えるフランソワはユニークなアプローチで生徒に教えるが・・・。

このフランソワを演じたフランソワ・べゴドーは自らの教師の経験を生かし「Entre Les Murs/壁の中」を執筆し、脚本書き、自らフランソワとして出演しています。生徒達は演技の経験のない子供達をオーディションで見つけたとか。映画の殆どがクラスルームの時間なのですが、フランソワと生徒達のコミュニケーションの中からティーンの感受性がとても感じられ全く飽きなく楽しめた部分でした。

それにしても教師って本当タフな職業だとつくづく思います。こんな小生意気な子供達を相手にしてたらどんなに忍耐強い人間でも切れるでしょう。知り合いで学校の先生がいるのですが、ロンドンの公立も地域によっては移民がクラスの2/3 を占めるらしく、英語での授業が難しいと言っていました。この言語、アイデンティティーの問題は移民が比較的多い都市の学校が抱える問題なのでしょう。もう一つ思った事は、生意気でしつけがなされていない子供が多いという事。クラスという小さな世界だからなんとかなるもの、実社会に出たら勿論通用しません。多分これはどの国でも共通しつつある問題なのでしょうか。昔のように先生が生徒をひっぱたくなんてしたら先生が訴えられる時代。ある意味大人が子供に対してナイーブになりすぎている気がしないでもありません。体罰に関しても勿論虐待は許されませんが、大人が社会があまりにも敏感になりすぎていると強く感じます。パリに住む友人はフランス人は一般的に子供に対してとても厳しいとは言っていましたが・・・。ロンドンでは最近素行の悪いティーンに注意して逆に刺されるという事件が続いたので今ではティーンがバスや地下鉄の中で音楽をガンガン鳴らしていても注意する大人がいません。これは悲しい事ですよね、社会が間違った方向に進んでいる。こういう事を含めて包括的に子供の教育を大人が威厳を持って行うという事が必要なのでしょう。という事で色々と教育というものを深く考えさせられる作品でした。お勧めです。

2 comments:

lotus said...

再びお邪魔します。
Man On The Wireが気になっていたのですが、これは面白そうですね・・・。日本の『豚のいた教室(だったか)』も素人の子供に台本ナシで議論させていましたね(観てないのですが)。フランスのドキュメンタリということでおっくうになってましたがコレは観たいです。

claudiacardinale said...

lotusさん、こんにちわ。再びとあるのでもしかして他にもコメント頂きましたか?こちらにはnoticeが来ていないので、アップされていません、失礼致しました。

「The Class」仏産とはいえおもしろいですよ、是非ごらんになってください。この作品に見る状況って先進国の都市部が抱える問題に共通するんでしょうね。日本の教育/移民の状況は全く把握してませんが、よりよい環境なんでしょうね、と思いますが・・・。