27 February 2009

Rigoletto

Rigoletto by Verdi at Royal Opera House

久々のオペラブログです。ここ最近色々と見ていたのですがどうもイマイチの連続でいい舞台に巡り会えずじまいでしたが、昨晩の「リゴレット」は最近見た中では歌手陣がどれもすばらしくいい夜を過ごす事が出来ました。

監督David McVicar、セットMichael Vale、指揮Daniel Oren、リゴレットLeo Nucci、ジルダEkaterine Siurina、マントヴァ公爵Francesco Meli。一幕目は公爵宅での宴。リゴレットは今まで何度か見ているのですが、この舞台は特にセクシュアリティーが全面に押し出された演出。上半身露な淫乱女達、一方男は女を追いかけまくり至る所で性行為、全裸の男女と要するにウサギ小屋状態乱痴気騒ぎの宴に仕上がってます。(METだったらこの演出NGになっているような???)これが世間知らずに育てられたリゴレットの娘ジルダと相違をなしてます。ただ後半の演出が前半が凄かったので物足りなかったような気がしないでもないような・・・。
出演した歌手は皆ノリに乗っていい調子。特にヌッチ、シウリナ、メリは抜群なトリオです。潤滑油をなみなみと注がれた滑車のように皆声が伸びる伸びる、いや本当にいい舞台でした。いい歌手をいいコンディションでみれるという、これが舞台の良さですね。

今年に入ってから1月後半ホセ・クーラを目当てに行ったROHの「Turandot」。肝心のホセがインフルエンザで降板。代役もまあよかったのですが、周りに押させ気味でした。お姫様役のElizabeth Connellは声の力量が凄いなぁと思い調べたらやはりワグナー専門でした。その後ENOでジョナサン・ミラー演出のLa Bohemeも行ったのですが、歌手陣はイマイチ、演出もイマイチでこれはつまらなかった。という連続だったので、またLa Bohemeの歌手がほんとダメだったので、「リゴレット」の歌手陣のレベルの違いを様々と感じさせられた夜でした。



オペラ続きで、最近夜中TVで映画「カストラート」を見ました。映画的にはどってことない作品ですが、内容は18世紀に社会現象ともなったソプラノ・カストラートのファリネッリごとカルロ・ブロスキの話。勿論映画の中でファリネッリが歌うのですが、本物はこんなレベルではないんでしょうね。ファリネッリの歌声は多分女性ソプラノの吹き替えだと確信するのですが、これはコンピューターを駆使して声を作ってもらいたかった。大人の男性の肺活量のソプラノなんて一体どんなのでしょう???当時多くの女性が失神したという歌声、ちょっと想像がつきません。それにしてもやはり近代の前は怖いですね、美声を突き詰めるためにカストレーションされるなんて人権というものは全く考慮されない時代です。とはいいつつ現代でも女性割礼が残っていますけどね。

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