10 March 2009

Katyn

Katyn by Andrej Wajda 2007 Poland

巨匠アンジェ・ワイダの新作「カティンの森事件」、とはいえ昨年2008年のアカデミー賞外国映画賞にノミネートされています。アンジェ・ワイダ監督ってまだ生存していたんですねぇ。とっくにお亡くなりになっていたと思ってました。この作品は85歳で撮ったとの事。現在もプロダクション中だそうです。ちなみに彼の作品「灰とダイアモンド」は感銘を受けた映画の一つです。


1939年ドイツ・ナチとソビエトからの攻撃にポーランドは敗北。多くのポーランド軍人や民間人が強制収容所に送られ、また4400人の軍人がカティンの森でソ連によって大量虐殺された。終戦後、ポーランド労働統一党はロシアに遠慮してこの大虐殺のソ連関与を追求せずドイツの罪とし、共産主義政権が崩壊するまで真実は明らかにされなかった。この虐げられた運命を辿るポーランドの暗黒の時代に夫、兄弟、息子を殺されながらも生き延びた4家族の話である。

戦後、ソ連によって愛する者を虐殺された事実を主張し同じポーランド人から迫害を受ける報われない遺族、一方体制を受け入れて事実に目をつぶる悲しい遺族。彼らの生き様、葛藤が話の大部分ですが、最後にリアルな残虐な惨殺シーンそしてフェイドアウトになり真っ暗な画面に曲だけが流れ映画が終わります。この強烈な効果でずしんとくる、お葬式に参列した後のような気になります。初めてワシントンDCにあるホロコーストミュージアム行って見終わった時と同じやるせない気持ちでした。ワイダ監督の父親もこのカティンの犠牲者だそうです。長年この事件を訴えたかったのでしょうね。

それにしてもポーランドは諸外国に翻弄された国です。イギリスではポーランド人は真面目に働き優秀と評判はとてもいいです。ロンドンに来たての頃ポーランド人の多さにびっくりしたほどです。外国人労働者人口のナンバーワンでしたが、今はどうなんでしょう?以前NYでポーランド移民のドキュメンタリーの作成に関わったのですが、ポーランド人の人達かなりの酒豪です。これは凄かった・・・毎晩ウォッカがぶ飲みでパスアウトするのですが朝にはきちんと起きて仕事に行く・・・(まあ皆が皆酒豪ではないですが・・・)、ひとなつっこくて人情が深く親しみの持てるいい人達でした。それにしても飲む量はすごかった・・・。昨年Channel 4でイギリスにおける外国人労働者のドキュメンタリーをしていました。これが移民の比較で、ポーランド人は優秀一方ポルトガル人は貧困層から抜け出せない、インド人は頭が明晰で優秀一方パキスタン人は・・・、ナイジェリア人も頭が明晰で優秀(医療関係にナイジェリア人がおおいのです)一方ソマリア人は・・・ととんでもないドキュメンタリーでした。こんなプロパガンダ的なものを放送していいのかしら?ポイントは?と不可思議に思った程です。話はそれましたが、「カティンの森事件」については全く知らなかったのでいい勉強になった次第です。

おまけ:約1年振りにNYに来ているのですが、道にあるお店がポツポツと閉店している処が目立ちます。どの店でも売れ残りのセールをしている。TVをつければ住宅ローン政府からの援助で今お買い得と訳の分からないコマーシャルもやってます。1年で街の空気は大きく変わってます。

4 comments:

Bianca said...

おおご覧になりましたか?しかも今NYなんですね。ポーランド人は、外国に留学や出稼ぎに出る伝統があるようですね。キュリー夫人もそうでしたし。私も旅行の際パリのホテルで話したメイドがそうでした。カティンと父の最後は以前から聞いておりましたが、85歳にしてついに制作したとは、これを作らずには死ねないという執念ですね。「灰とダイヤモンド」のころは30代で、颯爽とした男前ですが、彼に限っては85歳になっても、老いぼれたりしない感じですね。かれの初期の抵抗映画にはなかったリアルな虐殺シーンがあるのですか。時代と共に、こういうのが増えていると思いません?

claudiacardinale said...

ビアンカさん、冬眠からお目覚めになりましたか?おっしゃる通り、リアルな残虐シーンが挿入される作品って最近は多いですよね、コンピューターグラフィックの発達もあるけど、観衆がこういうシーンに慣れて来たというのもあるのでしょうか。それにしても85歳になっても映画製作しているというのは凄いですね。そういえばマノエル・ド・オリベイラ監督も100歳にしてまだ製作しているよう。細胞が若返って行くんでしょうか????

JT said...

こんにちは。ごぶさたです。
今日東京は桜が開花しました!もう春だなんて、冬が来る前に春になってしまったかんじがしてます。ところでカティン観たんですね。以前(たしかNHKで)アンジェイ・ワイダのドキュメンタリーをみたのですが、彼の映画活動そのものがレジスタンスの人生であることが分かりました。ワイダの作品を一挙に放送もしてましたよ。
それにしてもC.Cさんの記事を読んでいるとポーランド人って、かなりタフそう...そして、偏見に満ちたドキュメンタリーの話も興味深いです。
1年ぶりのNYだそうですが、やはり不況の波が表面に現れてきてるようですね。東京もそのあおりを結構うけてまして、あちこちで売り上げがた落ち、失業の話を聞いていますよ。

claudiacardinale said...

JTさん、こちらこそごぶさたです、お元気ですか?こちらNYも春のように暖かいとおもえば翌日雪です。ワイダのドキュメンタリー見たいですね、ビアンカさんからのコメントに「颯爽とした男前」ともあるので、すごい人間(あえて男を超えて人間にしました)だったんでしょうね。