1 March 2010

A Single Man

A Single Man by Tom Ford 2009 USA

元グッチのデザイナー、トム・フォードの作品。イメージだけの香水コマーシャルの様な映画だろうなぁ〜と思い敬遠してましたが、主演のコリン・ファースの評判があまりにもいいので見てきました。感想は、コリン・ファースがあっての作品という感じですが全体的に久々に見た美しい映画でした。こだわりのある美的感覚は流石もとファッション・デザイナーだけあって、美術や衣装は大変楽しめました。

1962年ロサンジェルス、イギリス人で英文学を教える同性愛者の教授ジョージ・ファルコナー(コリン・ファース)は数ヶ月前に起こった16年来のパートナー、ジム(マシュー・グード)の突然死に悲しみにうちひしがれている。生きる意味を失ったジョージは自殺を決意し準備を進めながらもジムとの思い出が後を絶たない。自らの命を経つ事を決めてからの数日間、ジョージは路上で知り合ったスペイン人青年となにげない会話を交わし、イギリスからの女友人チャーリー(ジュリアン・モアー)からはイギリスに戻ろうと誘われ、そしてジョージを慕う生徒の青年ケニーとの交流によって、人生の流れが変って行く。

コリン・ファースといえばどうしても「ブリジット・ジョーンズ」のマーク・ドーシーのイメージなのですが、彼特有のイギリス人的冷たさと堅さその中でもひょこっと見えるおかしさがこのゲイで教授のジョージの役にとてもしっくりきていて、プラス悲しみのどん底にいるこの主人公を素晴らしく表現しています。オスカーでは是非彼に受賞してもらいたいものです。ジュリアン・モアーのチャーリーは離婚経験者のドラマ・クイーン的な役なのですが、彼女もいいですねぇ、「ブギー・ナイト」でポルノ女優役で出ていましたが彼女はこの様なエッジーな役をすると光ります!チャーリーはある部分暖かい人間味を作品に添えてました。彼女がどの賞にもノミネートされていないのが不思議です。映像の美しさは勿論ですが、トム・フォードのナイーブになりがちな演出であるにも関わらずコリン・ファースのユニークで繊細な演技でいい結果となっています。

上記にも書きましたが、60年代設定という事でアート・ディレクションがとても素敵。ジョージの乗っている車が黒のメルセデス・ベンツ、これがなんともクラシックでかっこいい!あと出てくる女性のヘアースタイルなんかも60年代ファッション雑誌から抜け出してきた様です。映像的には60年代ヌーベルバーグを感じさせるグラマーさがありました。やっぱり元ファッション・デザイナーの映画ですね。

4 comments:

margot2005 said...

こんばんは!
この作品は昨年のTIFFで公開されましたが観れてません。コレから一般公開あるのかな?
大好きなコリン&マシュー出演で観たいモードたっぷりです!
マシュー・グードはとても気になるUK俳優です。

オスカー候補作品いっぱいご覧で羨ましいですわCCさん!
ペネロペも出る「NINE」は今月、「プレシャス」はGWに公開予定です。
ジェフの「Crazy Heart」も観たいですねぇ。一般公開されるかしら??

claudiacardinale said...

マルゴ嬢、最近不況のせいで配給会社も簡単に手を出さなくなりましたね、昔は東京は映画の宝庫だったのに・・・。劇場でかからなかったら是非DVDでご覧下さいませ、特にA Single Man!マルゴ嬢好みですよ。

Bianca said...

CCさん、こんばんわ。上の画像サンローランというのは最近死んだ、多分ゲイの、デザイナーにそっくりだと思いました。コリン・ファースといえば思い出すのは「アナザー・カントリー」(1984)の共産主義者の学生ですが、息の長い俳優ですね。私もこの映画、好きになりそうです。

claudiacardinale said...

ビアンカさん、えっーーー「アナザー・カントリー」にコリン・ファース出てたんですか?中学生の時この映画大好きで特にルパート・エベレットばかり注目していたので、コリン・ファースとは全く気がつきませんでした。という事は彼にゲイの役をさせるといいんでしょうかね?私生活でも同性愛者?と思い調べてみたら由緒正しい教育と宗教家のお家出身でした。役者以外にはアフリカや移民などヒューマンライツの運動に携わってるようです。容姿と中身は一致するケースもあるんですね。あっちなみに同性愛者ではないようです。子供が沢山いる・・・